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政治関連・社会問題などについて書いてゆきます!

バイオ燃料の課題

 京都議定書での日本の地球温暖化物質削減目標【−6%】は、実現の見通しが暗いという報告が出たというニュースが8月10日に流れた。
 日本の京都で世界の代表が激しい論議をして決めた目標を、開催国が実現できないと言う、恥ずかしい話。

 地球温暖化物質の提言のための「切り札」とされている、『再生可能エネルギー』

 その最も理想的な姿は、全てのエネルギーの源泉である『太陽光』のエネルギーを活用することだ。
『太陽光発電』『太陽熱による給湯・冷暖房』などが代表だ。

 しかし、今の所ソーラーカー・レースは別にして、太陽のエネルギーで実用の自動車を走らせることはできない。

 そこで、注目されているのが、『カーボン・ニュートラル』(地球上のCO2を増減させない)とされている、バイオ燃料である。

 バイオ燃料には、ガソリン代替燃料である、バイオ・エタノール(アルコール)【BEF】と軽油代替燃料である、バイオ・ディーゼル【BDF】がある。

 【BEF】は、言わば醸造業であり、お酒を造るプラントを大規模に工業化したようなものであるから、お酒を造る原料はそのまま活用できる。すなわち殆どの穀物が原料になりうる。 これらの穀物は、主食でもある訳で、人間ではなく自動車さまの“食糧”となってしまうことで、問題が起き始めている。
 すなわち、南米などで作付け転換が大規模に起こり、オレンジが切り倒されて燃料用作物に転換され、オレンジの供給が大きく落ち込んだなど、農作物の価格高騰を誘発している。
 また、飢餓に苦しむ人々が地球上で10人に一人と言われているのに、作物を自動車に食べさせて良いのか?という議論になり始めた。

 【BDF】では、東南アジアのパーム椰子が有力な原料であるようだ。
元々パーム椰子からは、食用の油を太古より採取し活用してきたらしいが、ここに来てBDF用に大きく転換されているという。食用油と比べて自動車が飲み干す油は桁が違うから、需給逼迫を起こし、大規模な作付け面積の拡大と、プラントの建設が進んでいる。
 その作付け面積拡大の手法は、熱帯雨林などの既存の自然林を焼き払い(言わば原始的な『焼畑農法』)パーム椰子を植えているという。
 このため、肥沃だった熱帯雨林の「地表流出」を引き起こし、また熱帯雨林のCO2吸収能力が無くなって、却ってCO2削減を阻害することになる。
 パーム椰子と言うから椰子の木であり、熱帯雨林の植生と比べれば、葉は圧倒的に少なくて、単位面積当たりのCO2吸収能力は比べ物にならないと言う。

 CO2削減の切り札とされてきたバイオ燃料を造るために、CO2吸収の決めてである自然林をなくして却ってCO2を増やすと言う悪循環に陥り始めた。

 日本では、『菜の花プロジェクト』と称して、使用済みてんぷら油を回収してBDFにする運動が進んでいる。これは、日常に使用されているてんぷら油を使った後にBDFにするものであるから環境負荷は小さくて優れたものである。
 しかし、この再生油では、日本で走る自動車の数%も動かせない。圧倒的に量が不足している。現在の技術では100%再生BDFでもディーゼル車を動かせるが、実用的に推奨されているのは、軽油に5%〜20%混入して使用する方法である。しかし、混入した場合でも、全量に対して軽油取引税が課税されるので、問題となっている。
 
 そして、バイオ燃料に共通している問題は、これらの燃料を造るプラントで大量のエネルギーが消費されることである。それを化石燃料由来のエネルギーで賄っていれば、なんのためのバイオ燃料なんだ? ということになる。

 自動車が出す見掛けの(換算した)CO2は確かに減るが、その燃料を造るためにCO2を増やしていないか?

 現状で広くひろがり始めた認識は、トータルで(地球全体で)考えて、バイオ燃料はCO2削減に効果があるのか?という疑問である。

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温暖化対策、追加を=中環審・産構審が中間報告 (時事通信) - goo ニュース

温室効果ガス削減 最大で2・7%不足 2010年推計(産経新聞) - goo ニュース

「現状で温室ガス増2・1%内」審議会中間報告に批判も(読売新聞) - goo ニュース
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コメント

ブッシュの危険性。

欧州は菜種油、中年米はサトウキビ、米国がトウモロコシ。
最も危険なのはブッシュの始めたトウモロコシ油でしょう。
砂糖の一大生産国のキューバやブラジルが『サトウキビの絞りかす』を利用してバイオ燃料を大量生産し始めたのに対抗して考えられたのがトウモロコシバイオ燃料。
『サトウキビの絞りかす』と言う産業廃棄物を有効利用するキューバやブラジルの方式はリサイクルや環境保護、地球温暖化などの概念と合致するがアメリカ方式は正反対。
アメリカ本国ではトウモロコシは家畜の飼料だがアフリカや中南米では人間の大事な食料。一台の車の燃料タンクを満タンにする為には、一人が食料として必要な1年分のトウモロコシが消費される。
このままトウモロコシバイオ燃料を推進すれば、車に乗る豊かな数億人のために、車に乗らない貧しい数十億人が飢えに苦しむ悲惨な未来が待っている。

  • 2007/08/11(土) 14:23:13 |
  • URL |
  • 布引洋 #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

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