きのうの西日本新聞🗞紙面から
佐賀地裁で【玄海原発訴訟】不当判決!!
私も原告の末端に名を連ねている裁判です。
原告が提起した問題点や危険性を全て無視して
政府や九州電力の言うがままの『追認型判決』
玄海原発訴訟で住民敗訴、佐賀
西日本新聞-2021年3月13日(土) 15:53 更新
(引用)
九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の周辺住民ら約560人が、3、4号機の設置許可取り消しと運転差し止めを求めた二つの訴訟の判決で、佐賀地裁(達野ゆき裁判長)は12日、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の審査に不合理な点はなく安全性も問題ないとして、いずれも請求を退けた。原告側は不服として控訴する方針。
被告は設置許可取り消しが国で、運転差し止めが九電。九電が策定した、耐震設計の目安となる地震の揺れや、火山噴火リスクの評価の妥当性などが争われた。
判決は、規制委の審査基準を「専門的知見を踏まえ、合理的だ」と評価。見過ごせない過誤や欠落はないとした。
安全性の「お墨付き」ではない 玄海原発差し止め訴訟、住民側敗訴
西日本新聞-2021年3月13日(土)
(引用)
【解説】九州電力玄海原発3、4号機を巡り、住民側の訴えを退けた12日の佐賀地裁判決は、高度な専門性が求められる原発行政の裁量を広く認めるべきだとした1992年の最高裁判決を踏襲し、国と九電の主張をそのまま認めた。
最大の焦点となったのは、昨年12月に関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の設置許可...
「形式的、ひどい判決」 原告ら請求棄却に憤りの声 玄海原発訴訟
西日本新聞-2021年3月13日(土) 06:00
(引用)
「国の主張に追随するだけの形式的なひどい判決だ」。九州電力玄海原発3、4号機の設置許可取り消しや運転停止を求める訴えを退けた12日の佐賀地裁判決に、原告側は憤りの声を上げた。
「不当判決」「耐震安全基準違反を許すのか!」。午後2時半すぎ、佐賀市の地裁前で原告団の2人が垂れ幕を掲げると、集まった支...(以下略)
玄海原発設置許可取り消し認めず 佐賀地裁、規制委審査「合理的」
西日本新聞-2021年3月13日(土) 06:00
(引用)
九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の周辺住民ら559人が国と九電に対し、玄海3、4号機の設置許可取り消しと運転差し止めを求めた二つの訴訟の判決が12日、佐賀地裁であった。達野ゆき裁判長は、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の審査について「看過しがたい過誤や欠落は認められない」と述べ、いずれも請求を退けた。原告側は判決を不服として控訴する方針。
原告は「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」。主な争点は、原発の耐震設計の目安となる基準地震動の妥当性と、阿蘇カルデラ(熊本県)の破局的噴火リスクだった。同様の訴訟では昨年12月、大阪地裁が関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の設置許可を取り消す判決を出しており、佐賀地裁の判断が注目されていた。
判決は規制委について「原発の安全性に関して高度の専門性を有する機関」と説明。規制委が専門的知見に基づき策定した新規制基準や同基準による原発の設置許可も合理的だと述べた。
基準地震動については、規制委の内規「審査ガイド」に記載された平均値を超える地震データ「ばらつき」の考慮が焦点となった。大阪地裁判決は、ばらつき分の上乗せの要否を検討しなかった規制委の判断過程を「審査すべき点を審査しておらず違法」と断じたが、佐賀地裁判決はばらつきは基準地震動を導く計算式の「適用範囲を確認する留意点」にすぎず、上乗せを要求する記載はないとした。
阿蘇カルデラの噴火リスクに関しては「原発の運転期間中に破局的噴火を起こす可能性は十分に小さい」と指摘。このような噴火を想定した法規制などが原子力安全規制分野の他に行われていないことを踏まえ「リスクは社会通念上容認されている」と結論付けた。 (岩崎さやか)
原発回帰追従判決…闘う覚悟強めた福島避難者
西日本新聞-2021年3月13日(土) 06:00
(引用)
多くの人から日常を、そして古里を奪ったあの事故から10年。原発停止の願いは届かなかった。九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の設置許可取り消しなどを求めた二つの訴訟で、原告側の請求を退けた12日の佐賀地裁判決。東京電力福島第1原発事故の後、福島市から九州に避難した原告団メンバーの男性は問い掛ける。事故から何を学んだのか、と。
福島市から千キロ以上離れた長崎市の離島・高島。家族5人で暮らす木村雄一さん(60)は判決の日、原告団が地裁前で開いた集会をインターネット中継で見守った。目に飛び込んできたのは「不当判決」の文字。「子の成長を見ていると早い10年だった。でも、国や司法は変わらないのか」。やるせなさをにじませる。
10年前の3月11日。福島市の自宅で1月に生まれたばかりの長女を風呂に入れた途端、激しい揺れに襲われた。妻も娘も無事だったが、故郷の宮城県石巻市では両親が大津波にのまれ、行方不明になった。
翌12日、人生を翻弄(ほんろう)する出来事が起きた。福島第1原発で水素爆発。放射性物質が福島市にも降った。市内で経営するライブハウスは軌道に乗ったばかり。両親とは連絡がつかない。避難するか、とどまるか。悩み続けて49日後、娘の健康を最優先に考え、自主避難を決断した。2011年6月、避難者を受け入れていた佐賀県鳥栖市に一家で移った。
原発から離れたはず、だった。移住後、鳥栖市から約60キロ先に玄海原発があることを知った。福島の自宅と福島原発の距離も約60キロ。自身の選択を悔いつつも、前を向く。「福島の状況を訴えよう」。事故から1年後に原告団に加わった。
各地の集会にも積極的に参加し廃炉を訴えたが、社会は原発の再稼働に進んだ。「前代未聞の事故は収束していないのに」。原発への不安がぬぐえず、13年春、高島に転居した。
人口330人余りの島には、当たり前だったコンビニはない。「便利なライフスタイルが最高。幸せイコールお金」の人生観はがらりと変わった。九電の玄海原発や川内原発(鹿児島県薩摩川内市)から約100キロ離れた島でカフェやゲストハウスを営み、壊れた生活の再建に集中した。
「遠く離れても、福島を忘れたことはない」。高島が近代炭鉱の発祥地と知り、炭田から原発に産業転換した福島とのつながりを意識するようになった。
判決を受けて、逆に力が湧いてきた。脱炭素が世界的な潮流の今、なし崩しに「原発回帰」が進むことに危機感が募る。「福島の事故で避難した者だから訴えられる言葉がある。九州から原発ゼロを目指す」。何年かかろうと、闘い続ける覚悟だ。
(金子晋輔)
原発リスク評価、割れ続ける司法 玄海訴訟判決
西日本新聞-2021年3月13日(土) 06:00
(引用)
九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の運転を「容認」した12日の佐賀地裁判決は、国の安全審査に「ノー」を突き付けた昨年12月の大阪地裁判決とは対照的な結論を導いた。東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故から10年。各地で多くの訴訟が起こされ、なお司法判断が揺らぎ続ける現状は、改めて事故の深刻さと共に、今後原発エネルギーとどう向き合うのかを社会に問い続ける。
【関連】玄海原発設置許可取り消し認めず 佐賀地裁、規制委審査「合理的」
「基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の策定過程をきちんと理解しており、納得できる判決だ」。京都大複合原子力科学研究所の釜江克宏特任教授(地震工学)は、この日の判断を評価した。
判決が踏襲したのは、四国電力伊方原発(愛媛県)を巡る1992年の最高裁判決が示した司法判断の枠組み。「原発は専門性が高いため裁判所は安全性を直接判断せず、審査基準や調査に不合理な点や重大な過ちがあった場合のみ違法とすべきだ」とする見解だ。
多くの原発訴訟で、この枠組みに沿った「行政追認型」の判断が示されてきたが、裁判官の意識に変化が見られるようになったとの指摘もある。
◆ ◆
福島原発事故後、初めて原発の運転差し止めを命じた2014年5月の福井地裁判決は「福島原発事故後、同様の事態を招く具体的な危険性が万が一でもあるかという判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい」と言及。最高裁枠組みにとらわれず地震対策に「構造的欠陥がある」とした。
「想定を超える地震が来ないとの根拠は乏しい」「過酷事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点がある」。その後も原発の運転を禁じる判断は相次いだ。高裁レベルでも17年12月と20年1月、四国電力伊方原発3号機を巡り、広島高裁が「火山の噴火リスクの想定が不十分」として運転差し止めを命じた。
最高裁は12年1月、各地の裁判官を集め、原発訴訟をテーマにした特別研究会を開いていた。関係者によると、研究会では92年の最高裁判決の枠組みを今後も用いるとの方向性を確認。一方で、裁判所も原発の安全性について、より本格的に審査すべきだという意見も相次いでいたという。
以降、個々の裁判体によって、原発の「リスク評価」の判断は割れ続ける。
◆ ◆
「どのような事態にも安全を確保することは現在の科学では不可能」(16年4月、九電川内原発を巡る福岡高裁宮崎支部決定)。破局的噴火など「発生頻度が著しく小さいリスクは無視できるものとして容認するのが社会通念」とする姿勢も根強い。原発の運転を禁じる判断はいずれも上級審や異議審で覆され、確定した例はない。
原発の安全性に司法はどう向き合うべきか。中央大法科大学院の升田純教授(民事法)は「原発は非常に高度かつ総合的な科学技術。関連した専門性がない裁判官は、審査の手続きなどに看過できない誤りがある場合にのみ介入すべきだ」とし、最高裁判決の枠組みを尊重すべきだとする。
一方、06年に金沢地裁裁判長として北陸電力に原発の運転差し止めを命じた井戸謙一弁護士(滋賀県)は「専門的で難しい内容はあるが、国や行政、学者の意見を丸のみしては司法の役割は果たせない」と指摘。この判決後、原発の耐震指針は強化されており「運転を認める場合でも安全性を高めるためのチェック機能を果たさなければ、司法は国民から見放されてしまう」と述べた。 (森亮輔、鶴善行)
原子力規制庁「厳格審査認められた」
九州電力玄海原発3、4号機の原子炉設置許可取り消しを求める訴えを退けた12日の佐賀地裁判決を受け、原子力規制委員会は「東京電力福島第1原発事故を踏まえて策定された新規制基準により、厳格な審査を行ったことが認められた結果と考えている。引き続き新規制基準に基づき、適切な規制を行ってまいりたい」とのコメントを出した。 (山下真)
妥当な結果、安全性確保に万全期す
九州電力のコメント 国と当社の主張が裁判所に認められ、妥当な結果と考えている。今後ともさらなる安全性・信頼性向上への取り組みを自主的かつ継続的に進め、原発の安全性確保に万全を期していく。
「原告請求棄却」に疑問
玄海原発2訴訟判決で住民
西日本新聞-2021年3月13日(土) 11:30
(引用)
九州電力玄海原発3、4号機を巡る二つの訴訟について、原告の請求を棄却した佐賀地裁の判決を受け、原発周辺の住民からはさまざまな意見が聞かれた。
「住民の不安に寄り添った判決とは思えない」。玄海町有浦下の農家青木一さん(83)は不満をあらわにした。国と九電の主張に納得できず、「福島のように想定外の事故は起こり得る。司法は本当に安全と言い切れるのか」と疑問を呈した。11日には街頭で原発の危険性を訴えたばかり。「今後も声を上げていく」
玄海原発2訴訟の判決要旨
西日本新聞-2021年3月13日(土) 06:00
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