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地球温暖化が災害を引き起こす緊急事態に IPCCが【特別報告書】を発表

2018年10月12日(金)

おとといの深夜(2018/10/10,23:50)
のNHK【時論・公論】でも論じられた
IPCCによる『地球温暖化 特別報告書』

【時論公論】どう向き合う? 地球温暖化
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/306986.html
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危機的な事態になっているとのこと!

以下、毎日新聞の記事から。

世界気温 早ければ2030年にも1.5度上昇 
IPCC特別報告書
毎日新聞 ー 2018年10月8日
‪https://mainichi.jp/articles/20181007/mog/00m/040/003000c‬

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、地球温暖化の影響で早ければ2030年にも産業革命前からの平均気温上昇が1.5度に達し、サンゴ礁の大部分が死滅するなど地球環境の悪化が進むと予測した特別報告書を公表した。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」で目標とした2度上昇に比べ、海面上昇のリスクにさらされる人々を1000万人ほど減らせるなど、1.5度上昇に抑えることで被害を軽減できる可能性も示した。


 IPCCが13年に公表した第5次評価報告書などによると、化石燃料を燃やすなど人為的な温室効果ガス排出などにより、地球の平均気温は既に約1度上昇したと推測されている。6日まで韓国・仁川で開催されたIPCC総会で承認された報告書の要約によると、このまま温暖化が進めば2030~52年の間に1.5度を超える可能性が高いと結論付けた。

 気温上昇を1.5度に抑えるために、人為的な二酸化炭素(CO2)の排出量を10年比で30年には45%減らし、50年ごろには実質ゼロにする「脱炭素化」の必要性を強く指摘した。それでも一時的には1.5度を超える可能性があるが、積極的な植林やCO2の地下貯留技術などで、温度上昇を抑制することも可能だとした。

 このほか、2100年までの約100年間の地球の平均海面上昇は、気温が1.5度上昇する場合には26~77センチと予測され、これは2度の場合より4~16センチ低い。2度上昇する場合、夏の北極海で海水が凍結しない頻度が10年に1度としたのに対し、1.5度上昇では100年に1度ほどにとどまるとした。

■2度上昇でサンゴほぼ絶滅
 生物多様性の観点では、約10万5000種について調べた結果、2度上昇することで昆虫の18%、植物の16%、脊椎(せきつい)動物の8%が生息域の半分以上を失うとしたが、1.5度上昇に抑えることで、そのリスクをおよそ半分に軽減できると予測。中でもサンゴ礁は2度上昇でほぼ絶滅すると悲観的だが、1.5度では10~30%は生き残る可能性があるとした。

 IPCCは報告書で「誰もが安全で持続可能な世界を確保する上で、今後数年間の取り組みが極めて重要となる」と強調し、各国がさらに厳しく温室効果ガス削減に取り組むよう促した。

 15年に採択されたパリ協定は、全ての国が温室効果ガス排出の削減目標を自主的に定め、実行に移す仕組みだ。しかし、現状で各国が示す目標を全て達成したとしても、2度上昇は避けられない。既に海面上昇などにさらされる島しょ国を中心に「2度目標では不十分」との意見が根強く、気温上昇を1.5度へ抑える努力目標を協定に追加した経緯がある。特別報告書は12月にポーランド・カトウィツェで開催される気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)でパリ協定の実施指針を策定する上での重要な資料となる。
【五十嵐和大】

■IPCC特別報告書の骨子
・産業革命前からの地球の平均気温上昇が早ければ2030年には1.5度に達する恐れ

・1.5度上昇に抑えることで、2度上昇に比べて海面上昇などのリスクを軽減できる

・50年にも温室効果ガス排出を実質ゼロとする「脱炭素化」が必要

・二酸化炭素の地下貯留などの実用化で、再び1.5度未満に戻せる可能性も

ことば・IPCC
 化石燃料を燃やすなど人為的な地球温暖化の予測と影響、対策などについて科学的知見を提供するため、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)が1988年に設立。現在は195カ国が加盟する。各国政府が推薦する科学者が公表された研究成果を集めて分析し、評価報告書として定期的に公表。国際交渉や各国政府の政策へ強い影響力がある。現在は第6次評価報告書の評価作業中で、2021年以降に三つの作業部会ごとの報告書が順次公表される。




【時論公論】どう向き合う? 地球温暖化
NHK ー 2018年10月10日 (水)
室山 哲也 解説委員
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/306986.html
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地球温暖化の被害をどう食い止めるか、世界の動きが活発化しています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、おととい、地球温暖化「1.5℃特別報告書」を公表し、温暖化の危機を、再び警告しました。特別報告書は、およそ6年ごとに出される定期報告ではなく、地球温暖化で、特別な状況がおきている時出されるものです。
特別報告書が出された背景には、最近の地球温暖化の進行が予想を超えており、途上国をはじめ、世界各国の危機感が強くなっていることがあります。


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これは近年起きた、世界の異常気象の分布です。温暖化の進行につれて、高温や熱波、大雨や洪水、地滑り、干ばつ、スーパー台風など、様々な災害が起きています。特に今年は、北半球で熱波が続き、日本でも、激しい雨や洪水で、大きな被害が出たのは、記憶に新しいところです。


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これは地球の平均気温の変化です。ここ10年程、気温上昇が高止まりをしていましたが、最近また上がり始めました。原因を調べたところ、海が、大気の熱エネルギーを取り込む現象があり、その定期的な動きが止まったため、再び気温上昇が始まったのではないかとみられています。したがって、今後、地球温暖化が、のっぴきならない状況になることも予想されます。

2年前発効した、パリ協定では、地球温暖化の影響を最小限におさえるには、平均気温の上昇を、今世紀末までに、産業革命から2℃より十分低く、できれば1.5℃に抑えるべきだとされました。しかし現状では、産業革命からすでに1℃上がっており、このままでは、各国が提出した温室効果ガスの削減計画が、すべて実行できたとしても、2℃目標は達成できず、3℃近くまで上がることがわかっています。また、仮に2℃目標をいったん達成しても、温暖化は止まらず、4-5℃にまで気温が上がってしまうという報告もあります。
「IPCC1.5℃特別報告」は、そのような危機感から出された、世界に対するメッセージだともいえます。

報告書の中身を見てみましょう。
地球の平均気温の上昇が、1.5℃に抑えられた時の、温暖化の影響が示されています。


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影響の中で深刻なものの一つが、海面の上昇です。世界の沿岸地域、特に途上国で、「浸水」「洪水」「浸食」といった深刻な被害が危惧されています。
IPCC特別報告書では、気温上昇を1.5℃に抑えると、海面上昇は、今世紀末で、26-77センチになるとしています。気温上昇が2℃の場合、さらに10センチ高くなります。
日本の場合、60センチの海面上昇で、砂浜の80%が消失するという報告もあり、海面上昇が世界規模で起きることが、いかに重大であるかがわかります。また、海面上昇で影響を受ける人の数は、2℃の場合、1.5℃よりも、最大1000万人増えると予測されており、海面上昇を少しでも食い止める必要があります。

報告書は、生態系への影響にも触れています。


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地球の平均気温の上昇を2℃に抑えた場合、生息に適した地域の半分以上を失う種の割合が、植物で16%、昆虫で18%、脊椎動物で8%となりますが、1.5℃に抑えれば、その影響を、さらに半分以下にすることができます。サンゴ礁は、2度上昇でほぼ絶滅しますが、1.5℃では、かろうじて10-30%が生き残る可能性があります。

温暖化による被害を食い止めるために、気温上昇を2℃、できれば少しでも低い1.5度にとどめることが必要だということがわかります。

最近、温暖化の複雑なメカニズムも分かってきました。
<VTR>
北極圏には、一年中凍り付いた、永久凍土と呼ばれる大地が広がっています。その永久凍土が、地球温暖化によって解け、中に閉じ込められた、メタンガスが放出したり、有機物が分解してメタンガスが出来ていることがわかってきました。メタンの温室効果は、CO2の20-30倍も強く、大気中に出ると地球温暖化に大きな影響を与えます。
永久凍土は北半球の大陸のおよそ1/4。
地球の平均気温の上昇を少しでも抑えなければ、メタンの放出を減らすことはできません。

では、今後、どのような対策が必要なのでしょうか?


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IPCC特別報告では、気温上昇を1.5℃に抑えるためには、CO2の排出量を、2030年までに、2010年比で45%減らし、2050年ころには実質ゼロにする必要性がある。そのためには世界の電源構成は、再生可能エネルギーの割合が70-85%、石炭火力発電はゼロに近づけなければならないとしています。
しかし、それでも、一時的に1.5度を超える可能性があり、さらに抜本的な対策が必要です。
その方法として、CO2の排出量を減らすとともに、すでに大気中に出ているCO2を集めて、除去していくという考え方が出てきました。


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たとえば、まず、火力発電所の燃料に、化石燃料ではなく、木や植物などの、バイオエネルギーを使います。こうすれば、排出されたCO2や大気中のCO2を、成長する木や植物が吸収するため、CO2削減につながります。
そのうえで、さらに発電所から出たCO2を、回収して地面に埋めれば、削減をさらに進めることができるというアイデアです。

この方法が、実現すれば、強力な温暖化対策となります。
しかし、実現するには、生態系への影響や、コストの問題、社会的なコンセンサスなど、様々な課題があり、今後長い道のりが必要です。

以上、地球温暖化をめぐる現状を見てきましたが、いずれにしても、この問題を解決するのは容易ではありません。
私たちは、温暖化を防止するために、今後、ライフスタイルそのものを大きく変えていく必要があります。

実は、地球温暖化の根底には、文明全体にかかわる、大きな問題が横たわっています。


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これは、人間が生きるために、どのくらいの水や食料が必要か、どのくらいの面積が必要かを表す「エコロジカルフットプリント」という指標です。それによると、人類は、すでに地球1.7個分の生活をしています。地球の資源の生産能力は1なので、余った0.7は、森林や海など、地球の生産能力を超えた分、いわゆる貯金に手を付けた状態です。今後、もし全人類が、日本人と同じ暮らしをすれば、地球が2.8個、アメリカ人と同じ生活をすれば5個必要となります。


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背景には、急激な人口増加があります。すべての人々が、豊かな生活を求めて、今のままのやり方で生産活動を続ければ、地球の資源の生産能力とのアンバランスが生まれ、食糧問題、エネルギー問題、環境破壊、生物多様性の危機、そして地球温暖化を引き起こします。
つまり、地球温暖化は、現代文明の症状の一つで、今後私たちは、これらの課題を、できるだけ同時に解決する方法、つまり「新しい文明のスタイル」を、探す必要があるということになります。そのためには、まず、先進国から、今の社会の姿を変える必要があります。
豊かさを保ちつつ、人類全体で、地球1個分の生活をどう実現するのか?持続可能な社会をつくるために、科学技術をさらに進化させ、私たちの意識やライフスタイルを変え、共有し、次世代にも引き継いでいかなければなりません。

今回のIPCC特別報告は、地球温暖化をめぐる深刻な現状を、改めて浮き彫りにしました。地球温暖化防止は、世代を越えた戦いです。私たちは、今の時代を超えて、未来のために、どのような社会を残していけばいいのか?それぞれの立場でやるべきこと、そして市民自らの責任について、改めて、想像力を働かせ、考え直す必要があるように思います。

(室山 哲也 解説委員)




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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

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