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JUNSKY blog 2018

政治関連・社会問題などについて書いてゆきます!

呼び覚まされた沖縄の怒り (現代ビジネス・石戸 諭 10/2)

2018年10月3日(水)

現代ビジネスが、玉城デニーさんの圧勝に終わった沖縄県知事選挙について
勝因と今後の課題について書いている。 筆者は石戸 諭 さん。

取分け、沖縄財界を代表して玉城デニーさん勝利にあらゆる面から貢献した
呉屋守将・金秀グループ会長へのインタビューが興味深い。

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玉城デニーを勝たせた「翁長の幽霊」、
呼び覚まされた沖縄の怒り
そして、キーマンが明かした今後の課題

 現代ビジネス - 2018年10月1日
 石戸 諭 記者・ノンフィクションライター


 長い論考ではありますが、ぜひ読んで頂きたい!

一部を断続的に引用しますと・・・ 

<リード文>
翁長雄志・前沖縄県知事の急逝を受けて行われた沖縄県知事選は、翁長氏の後継・玉城デニー氏の圧勝で幕を閉じた。この勝利に翁長氏の死が大きく影響していたことは間違いない。

しかしそれは、単純な「弔い選挙」で片付けられる話ではない。翁長氏の死によって、これまで眠っていた沖縄県民の怒り――「沖縄をなめてはいけない」――が呼び覚まされ、今回の大勝に結びついたと考えられるからだ。翁長氏の死は、一つのきっかけだった。

一方で、さっそく玉城陣営=「オール沖縄」の課題も見え始めている。翁長氏の遺志のもとに集った人々は、本当に結束を続けられるか――
玉城陣営で尽力した沖縄財界のキーマン、呉屋守将・金秀グループ会長の言葉からはそんな心配が透けて見えた。

ノンフィクションライター・石戸諭氏による、本土と沖縄の「これから」を考えるための選挙ルポルタージュ。

     ***************

(ここからが本文)

だが、本当にオール沖縄に課題はないのだろうか。当選直後に表情を崩さないまま「嬉しさ半分、厳しさ半分」と語った人物がいた。

沖縄経済界の大物、金秀グループ会長の呉屋守将である。

翁長知事誕生を後押しし、翁長自身が後継候補の一人にあげた政財界のキーパーソンだ。彼は名護市長選の後、敗北の責任を取るとして、翁長の支持組織「オール沖縄会議」の共同代表を辞任している。

ところが今回の選挙では再びマイクを握り、玉城当選を支えた。呉屋は選挙期間中に私たちの単独インタビューに応じた。

そこで語られた内容はオール沖縄、そして玉城県政が今後直面するであろう課題を指摘したものだった。彼は選挙戦の最初から最後まで「熱狂」と距離を置き、経営者らしい冷徹さをもって情勢を分析していた。

(中略)

《基本的に基地は経済発展の妨げなんですよ。沖縄に最低限、どのくらいの基地が必要かは議論がわかれるので、これは議論をしたいと思っています。

でも、沖縄は基地依存経済だなんていう人は、那覇新都心を見てほしい。小禄の再開発をその目で見てほしい。そこにあった米軍基地と比べて、どっちが雇用を生んでいるか。どっちが経済効果があるのか。こちらには論より証拠がある。

私たちが作りたいのは、日本のどこにもない沖縄県なんですよ。観光業が好調なのも平和だからできること。私はそこを企業経営でバックアップしたいんですよ。政治家は支えても、自分が政治家になるつもりは毛頭ないんです。》

呉屋は時に舌鋒鋭く、間違っているものは間違っていると指摘する。今回の県知事選こそ勝ったが、名護市をはじめ首長選で敗れたオール沖縄についても同様だ。

一人称は「私」から「僕」へと変化する。

《地方の首長選でも「辺野古移設反対」を掲げて勝とうなんて大きな間違い。県民の意思は4年前の選挙でも示されている。それを踏まえて、今回の候補者は何をやるのかを語らないといけない。

僕が「オール沖縄会議」の共同代表をやめたのは、名護市長選の呆れた選挙戦術、選挙対応がきっかけ。これで本当に名護市民に対して申し訳ないという気持ちはないのかと聞いても、誰一人として反省の弁がない。

こんな低落は僕の企業人としてのプライドが許さないよ。でも、翁長さんがこんなことになると知っていたら、共同代表をやめるわけにはいかない。どんなことがあっても僕はやめずに留まったと思う。

僕の辞任が死期を早めたとしたら、申し訳ないなと今でも思っています。》

(中略)

「イデオロギーの前に、尊厳が傷つけられている」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57768?page=5

呉屋が考える翁長の遺志とは何か。呉屋の話はオール沖縄とは何か、にまで広がっていく。

《イデオロギーの前にウチナンチュの人権、尊厳、プライドが傷つけられている。また新たに大きな基地を国が押し付けようとする。

今で言う強大なパワハラでしょ。理不尽なことを押し付けられるのに黙っていていいのか。もう黙っていないでウチナンチュ立ち上がろうよっていうのが「イデオロギーよりアイデンティティ」なんですよ。

僕の立ち位置は全然ぶれない。これは人権問題なんだと思っている。最低限の人権がないと経済だってうまくいかないでしょ。

アメとムチでいつまで沖縄がいじめられるのか。いい加減にしてくれと。自分たちのことは自分たちで決めたいんだということですよ。

対話、対話っていうけど対話というのは小さな声を汲み取ってこそ対話でしょ。知事が会いたいというのに4ヵ月も無視したのは誰なの。沖縄に対立と分断を持ち込んだのは誰なの。

沖縄の苦労に思いを寄せてくれる政治家もいたのに、いまの政権にはない。常に上からやってくる。》

彼が重んじるのはプライドである。自民党を支持しておけば、米軍基地を受け入れておけば沖縄の経済は安泰だ。そんな時代は終わりつつあるという。

《僕は商売人だから人権尊重・自由・平和。僕にとってはこれが一番大事。翁長さんになれば不況になるって言われたけど、観光が伸びたじゃない。これも論より証拠。

僕には土建屋としての夢がある。それはね、米軍基地の撤去工事をやること。僕がある選挙で応援演説したときに一番、受けたね。

(立候補者が)「金秀グループは米軍関連の工事はしない」っていうから、慌ててマイクを取り返して、「我々は米軍工事をやります。撤去工事をやるんです」って言ったの。

沖縄県民の所得は低いでしょ。ずっと全国最下位の216万。今までの政権が沖縄のために何をしてくれたんですか。政権の言う通りにやっていたから最下位なんですよ。沖縄のポテンシャルは観光にもサービス業にもありますよ。

無批判に従属するだけではダメなんですよ。》

(中略)

「熨斗つけて、基地はお返しします」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57768?page=6

あぁそういえば、と呉屋はこんなエピソードを披露してくれた。全国から建設業界の集まりで、ある自治体の代表とのやり取りである。

《「呉屋さん、沖縄でいろいろ騒いでいるみたいだけど、沖縄は基地経済でしょ」。で、僕は言うわけ。

「はぁそうですか。では熨斗つけて基地をお返しするので、お引き取りください。こちらは喜んでお渡ししますよ」

現実にできるかどうかは別の問題として、そこまで言うならどうぞ基地と予算を一緒に持っていてください、というのが僕の気持ちですよ。

僕も翁長さんも、沖縄の米軍基地即時全面撤去なんて一言も言ってない。最低限の防衛力、防衛機能はあってもいいと思っていますよ。でも、それがなんなのかを本当に検証したということは聞いていない。

その結果、沖縄の応分の負担がこれだからと言われたら負担は必要でしょ。それを示した上で、議論したいのになんでもかんでも沖縄に押し付けようとする。

ここはゴミ捨て場じゃないんだと言いたいですね。》

(中略)

 【公明党支持者の25%前後が玉城候補に流れていた!】

「隠れ玉城支持者」の存在

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57768?page=6

日付が変わった10月1日午前2時前に開票を確認した。玉城が獲得した最終票数は39万6632票、得票率は55%に達していた。
沖縄県政史上に残る圧勝である。(史上最多得票だった!)

玉城票の特徴は事前の予想よりもはるかに「取れすぎたこと」だ。言い換えれば、彼は勝ちすぎた。なぜこんなことが起きたのか。

沖縄を取材するメディアが最後まで読み違えたのは、出口調査で浮上した「隠れ玉城支持者」の存在だった。自民党支持者の2割以上、公明党の支持者の25%前後が流れていた。

政権与党・公明党の支持母体にして、佐喜真陣営支持に回った創価学会は特にこの選挙に力を入れていると言われていた。

ところが蓋を開けてみると、かなりの数を固めきれずに取りこぼしていた。玉城の遊説会場には創価学会のシンボルである三色旗がいたるところに見られた。

創価学会員の中には玉城陣営の選挙運動の中核として関わった人もいた。

《公明党は「平和の党」だって言ってるのに、なんで辺野古に新基地を作るかどうか明言もできない人を支援するって言えるの。そんなの筋が通ってないじゃないか。そう思いませんか?》

プライド
「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー」
 (沖縄の人をなめてはいけない)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57768?page=7

《単なる弔い、単なる玉城支持ではこの票は説明できない》
 と語ったのは地元紙の記者だ。彼は言う。

《人の懐に手を突っ込んで、基地との取引材料にしようとする政府や与党の姿勢そのものに違うと言いたい怒りがあるんだ。そうとしか言いようがない。》

辺野古移設を受け入れる県政だと国から「有史以来の予算」が付き、反対する県政だと減額されるのか。

「なぜ」と理不尽の積み重ねに耐えきれなくなった人々がいる。

彼らは抱く思いは、翁長や呉屋が強く訴えた「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をなめてはいけない)」という言葉に象徴される感情、プライドを傷つけられたという思いそのものである。

******************

石戸 諭氏による素晴らしいレポートでした!









【関連記事】

県民、心折れなかったよ 翁長雄志知事に報告 妻・樹子さん
 琉球新報 - 2018年10月2日 05:00


玉城氏、辺野古で国に協議要請 沖縄県知事選初当選「対話で解決策を」
 琉球新報 - 2018年10月2日 05:30



沖縄県知事選 存在感見せた翁長氏
 樹子夫人登壇で玉城陣営の潮目変化

 琉球新報 - 2018年10月2日 10:38
 

 「樹子さんが出ないと戦えない」。玉城陣営幹部は「デニーカラー」を前面に出す作戦を切り替え、故翁長雄志知事の存在を押し出すことに注力する。そのためには妻樹子さんの協力が不可欠だった。
 そしてついに決意する。「この選挙、万が一負けたら沖縄はどうなるのか」。樹子さんは9月22日の決起集会の壇上に立った。強権的に辺野古新基地建設を進める政府を痛烈に批判し、こう語り掛けた。「頑張りましょうね。命(ぬち)かじり、命かじりですよ」。ウチナーンチュの結集を呼び掛けた言葉に共感が広がり、熱気にあふれた。

 陣営は集会を機に潮目が変わったと実感する。そのうねりは、台風を前に陣営が呼び掛けた期日前投票に応える人々の列に表れた。投票の結果、佐喜真氏を約8万票上回り、知事選過去最多の39万票余りを獲得した。雄治さんは選挙結果を「ウチナーンチュとしての選択だ」と見る。



沖縄県知事選、全国紙はどう伝えた?
 「朝日・毎日・東京新聞はそれぞれ計5面に展開」
 「日経を除く5紙は社説でも扱った」

 琉球新報 - 2018年10月2日 11:25
 

【東京】
 9月30日の沖縄県知事選で玉城デニー氏が勝利したことについて、在京各紙は朝刊1面で大きく報じた。読売、朝日、毎日、産経、東京は1面トップで伝え、関心の高さをうかがわせた。

 朝日は計5面で詳報。「『辺野古が唯一』再考の時」と題した那覇総局長の評論や出口調査結果などを手厚く報じた。

 毎日も計5面で関連記事を展開した。インターネット上で出回った情報の真偽を検証した琉球新報などの取り組みも紹介した。

 東京も計5面で展開した。「新基地 県民再び拒否」と結果を解説したほか、有権者の声も伝えた。

 読売は計4面で報道した。埋立を巡る国と県の法廷闘争が続く見通しのほか、2面では「移設問題 停滞させるな」と題した那覇支局長の評論も載せた。

 日経は1面左肩など計3面で展開し「参院選 野党共闘に弾み」とのサイド記事を掲載した。産経は計2面で報じ、中面では「辺野古 泥沼化の恐れ」との見方を伝えた。

 日経を除く5紙は社説でも扱った。
 朝日、毎日、東京は辺野古移設に反対する玉城氏の当選を踏まえ、政府に辺野古移設を見直すよう求めた。読売と産経は国と県の対立を再燃させるのは望ましくないとし、移設計画の前進を訴えた。



玉城氏勝利を米(アメリカ)メディア一斉報道
 「海兵隊員の息子が当選」 沖縄県知事選
 ニューヨークタイムズ・ワシントンポスト・
 ウオールストリートジャーナル・ブルームバーグ・
 ロイター通信・AP通信なども

 琉球新報 - 2018年10月2日 11:21
 

【ワシントン=座波幸代本紙特派員】
 米メディアは9月30日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画に反対する玉城デニー氏が県知事に選ばれたことを一斉に報じた。「米軍基地に反対する海兵隊員の息子が当選」など、米軍人の父を持つ玉城氏の経歴を紹介するほか、日米両政府の合意から20年以上がたつ普天間飛行場移設を巡り、安倍政権と新たな裁判闘争に直面するだろうなどと報じた。

 ニューヨークタイムズは「日本で初の混血の知事が誕生」と伝え、玉城氏の勝利は日米両政府による移設計画を後退させると指摘。ワシントンポストはランド研究所の識者の意見として、日本政府と県が合意するまで普天間飛行場は使用され続け、事故が起きた場合に日米同盟の危険性が生じるだろう、との分析を掲載した。ウオールストリートジャーナルは「玉城氏は新しい基地の建設を巡り、安倍晋三首相との対決に直面する」と、長期的な法廷闘争の可能性を指摘し、ブルームバーグは「安倍首相、新基地を巡る県知事選の敗北に苦しむ」との見出しで報じた。ロイター通信、AP通信も知事選の記事を配信した。



勝利宣言に喜び爆発=玉城さん
 辺野古阻止に決意-沖縄知事選

 時事通信 - 2018/10/01-01:39
 

 沖縄県知事選で激しい接戦を制した玉城デニーさん(58)の那覇市内の陣営では午後9時半すぎ、当確の情報が伝わった瞬間、詰め掛けた約200人の支援者が歓声を上げ、沖縄の踊り「カチャーシー」で喜びを爆発させた。「わったーがかっちゃんどー(私たちが勝ちました)」。玉城さんが勝利を宣言すると、拍手と指笛が鳴り響いた。
 当確の直後、目をぎゅっと閉じ、妻智恵子さん(59)の手を握った玉城さん。大きく息を吐いた後、支援者に向かって笑顔でポーズを決めた。「翁長雄志知事が命を削って全うしようとしたことが県民にしっかり宿っていた。辺野古の新基地建設は絶対に認めない」と断言した。
(2018/10/01-01:39)
     *******

玉城氏の発言要旨=沖縄知事選

 30日の沖縄県知事選に当選した玉城デニー氏の発言要旨は次の通り。

 翁長雄志知事の「これ以上新しい基地を造らせない」という、命を削って全うしようとしたことが多くの県民に宿っていたと思う。
 辺野古に新しい基地は造らせないという誓いをしっかりとぶれずに全うしていきたい。決して私たちから対立や分断を持ち込んでいるわけではない。国としっかり協議したい。
 しかし、県民が認められないもの、その最たるものは辺野古新基地建設だ。そういうことについては県民の思いをしっかり政府に突き付けたい。
 辺野古新基地建設反対が一顧だにされなかった。県がすでに埋め立て承認を撤回している。公有水面埋立法の正当な手続きによる県の判断だ。国が法律を守らなかったわけだから、そのことを(裁判で)堂々と主張するべきだ。
 政府と対峙(たいじ)することの難しさを私は考えていない。われわれの民意に沿って政府が判断すればいい。(2018/10/01-00:04)





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