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JUNSKY blog 2018

政治関連・社会問題などについて書いてゆきます!

日中平和友好条約締結40周年 宮本雄二・元 中国大使記念講演会

2018年9月24日(月)秋分の日の振り替え休日

昨日参加したイベント
【新しい時代の日中関係はどうあるべきか】
宮本雄二 元 中国大使・講演会

福岡中央市民センター・大ホールにて
9月23日 14:00から

さっそく今朝の西日本新聞に短く掲載されていました!

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祝! 日中平和友好条約締結40周年 記念講演会
講演者:宮本雄二・元 中国大使

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松山盛利 日中友好協会 福岡県連会長より挨拶
14:01〜14:06
尖閣事件にも触れた挨拶。
パンフレットに掲載の通り。
先日の海上自衛隊による南シナ海での演習にも触れた挨拶。

司会の後藤冨和さんより宮本雄二さんの経歴紹介。
著書の紹介。

宮本雄二さんの講演 14:08〜

(以下は宮本雄二さんの講演から私が iPad でリアルタイム入力
したものであり、講演の全体像を捉えたものではありません)

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外務省に入った時には中国は台湾だった。
中国語、ロシア語を専攻する者は少なかった。

外務省から中国語を担当するように命じられた。

日中会談の情報はボストンで聞いたが米国の新聞では三行扱いだった。

1972年に国交が回復し友好関係が始まった。
その前は対立していたし、さらにその前には戦争していた。

【トランプ大統領の登場】
外交関係者も学者も誰も予想できなかった。

アメリカの政治の流れは一部ぶり返しはあったが、基本的には中道から 中道左派だった。

マイノリティに対する優先処置(アファーマティブ・アクション)がとられていた。

同じ能力なら白人男性より黒人女性が確実に優先された。(逆差別が定着)
白人男性から抗議の声が上がった。

大部分の労働者は転職すればするほど収入が減った。
一部のエスタブリッシュだけが高収入になって行った。

そう言う白人男性がトランプを支持した。

アメリカの問題はアメリカ民主主義中で解決して行くだろう。

アメリカ精神的出発点はイギリスの苛めに対する反抗心から来ている。

あらゆる困難を自分の力で解決しようとする『カーボウイ精神』が元にある。

アメリカの自国第一主義はトランプに始まった訳ではない。
ヨーロッパにも自国主義が拡がっている。

中国はそう言う中で発展して来た。受益者であった。

WTOに 中国が参加して急速に力を付けて来た。
アメリカとの関係も変化して来た。

アメリカは、中国がアメリカを追い越そうとしてることを怖れている。
アメリカ地位が揺らぐだけではなく、世界の秩序にも影響する。

アメリカは、中国の押さえ込みに入った。
今後の5年や10年ではアメリカの方向は変わらないだろう。
中国が変わる必要があるが、それも中々難しい。

日本の 中国侵略による中国の意識の変化。

中国を豊かで近代的な国にするのが基本方針。

ここからが私の議論の展開ですが

中国の意識が今のままでは有り得ないだろう。

中国の考えでは、南シナ海も東シナ海も尖閣も自分の物だと考えている。

一方、ベトナムも南沙諸島は自国の領土だと言っている。
フィリピンも領有権を主張している。

中国が豊かで強い国であると言う考えは変わらないが、
徳のある国になると言う面では変わり得る。

中国外交は初めから間違っている。

力で持って現状を変えると言う方法は完全に間違えている。

日中関係が悪化した原因は尖閣事件に有る。

島を持っていなかったら領有権を主張できない。

国連海洋法条約では南沙諸島に中国領は存在しない。

ベトナム、台湾、フィリピンが順次領有権を主張している。

そう言う海面に人工島を作って領有権を主張し始めたが、
国際法上全く意味を持たない。司法裁判所に出せば門前払い。

戴秉国氏は国際 仲裁裁判所の決定を『紙屑だ!』と言った。

国際法を重視しない国で有ることを世界に知らせてしまった。
国際ルールを守らない国であることを世界中の国が知った!

目の前の少しの利益の為に長期的な大きな利益を失った。

中国は将来また同じようことをすると言う認識が世界の共通認識に。

これを打開するには実際の行動で示す他ない。

中国軍と自衛隊が戦闘直前まで対峙したのは尖閣事件が初めてであった。

日中関係が良好な状況で有る場合には台湾で何か起こっても
日本は米軍に協力しない場合もあるが(?)
日中関係が悪化していれば米軍協力することになる。

これまでは、経済の力で友好関係を随時解決して来たが、
軍事的対決(安全保障の問題)では、経済面で解決が難しい。

軍事安全保障面では騙すのは当たり前のこと。

経済関係では騙し続けられない。

日中関係は、これまでの何倍も難しくなった。

日本と 中国の間は離婚も転居もできない関係にある。

好き嫌いの話では無く、友好的にやって行く他はない。

中国が必要とする環境技術は米国には無い。
中国の環境問題を解決する環境技術は日本に有る。

日米vs中国と言う構図になると中国は勝てない。

中国経済は日本の3倍経済力を持とうとしている。
その上、実質経済成長は年間6〜7%。

日本は中国に勝てないのか?

我々には智慧が有る。

経済規模ではアメリカを早晩抜くだろうが、
総合的な力で上回るのは簡単では無い。

核兵器による恫喝の意味。
中国は日本など核兵器を持たない国には絶対に核兵器を使用しないと言うが。

それに対抗するには、
多くの国と連携を創り出して中国に圧力を加える
プレーヤーを多くすることが重要。

今や、多くの中国人が観光で日本を訪れて日本の良さを認識しつつ有る。

文革後の近代化についても近代化とは何かを知らなかった。
鄧小平が来日して新幹線の前でポーズを決め『これが近代化だ』と言った。

文革後、高倉健や栗原小巻さんらが日本文化の象徴として有名になった。

今は、中国人観光客が日本のソフトパワーを伝える情報源と成っている。

人類は何度も何度も戦争をして破壊し尽くし再び立ち直って来た。
今や核兵器で破壊の威力は極限で有る。
大国間の戦争は今や有り得ない。

日中平和友好条約は、福田赳夫総理の時。
共同声明で木の橋を築いた。
平和友好条約で鉄の橋になった。
と福田赳夫総理は言った。

それにも関わらず、尖閣で衝突しそうになった。

日本は、世界にも稀に見る法律重視の国。
「尖閣は日本の固有の領土で有る。従って尖閣問題は存在しない」
と言う立場。

宮本雄二案

どちらが一方が紛争で有るとした場合は紛争で有ると認識するべき。

中国外交部は話し合いはしないと言ったが、それは平和友好条約に反する。

習近平さんが力を付けて国民は右へ倣えなっているように見えるが
そうとばかりは言えない。
習近平氏が腐敗撲滅をあれだけ強硬に実施できたのは
国民の支持があったから。

もう一つは国民レベルの交流。

党員や国民が如何感じているかを支配層は気にしている。

指導者の目論見だけで日本との関係を悪くしようとしても
中々そう言う風にはならない。

靖国参拝のような刺激を与えない限り中国側からはそうはならない。

日本を知る人が増え、親近感が広まれば指導者にも影響を与える。

中国語で、SNSなどを発信することで影響力は拡げられる可能性がある。

被害者側は過去の屈辱の歴史は忘れていない。

米国では今でも南北戦争の怨恨が残っている。
特に侵略された南部の人々恨みは深い。

中国も同様。

満州事変が状況を変えた!

神戸大学の五百旗頭先生は、日米開戦は日本の責任で有ると言われた。
日中戦争も日米戦争も日本側に原因がある。


日本の歴史認識はほぼ決着したと思う。

この認識を若い人々の共通認識にする必要がある。

日本が中国大陸で何をしたか?記録は日本には殆ど残っていない。
笠原先生は、 米国の資料と中国に渡って脚で調べた情報を元に
本を執筆して明らかにした。

中国の人々には侵略された悪い記憶が殆どだが、一部に日本人から受けた
良い思い出を語る方もいた。

大部分の日本人は平和な国として復活して行こうと言う意欲があったし、
今も有ると思う。

中国と戦争しようとする流れは大きくはならなかった。

アトランタに赴任していた頃、日系・中国系・韓国系米国人の結婚は、
それ以外の地域の人々との結婚より遥かに多かった。
アメリカでは、中国も韓国も日本も兄弟だった。

・・・・・

質疑応答

『安全保障のジレンマについて』

軍事安全保障関係者は最悪の事態を想定する。
そうすると相手を過大評価しがち。
双方ともそうするから、結果的には過去には戦争となった。

『代理戦争』
スパルタとアテネの対立を描いた論文。
ツキジデスの罠。
殆どのケースが戦争に至っている。
イギリスからアメリカへの覇権の交代の際は戦争にはならなかった。
科学技術競争が事実上の戦争になっているとも言われるが。
ソ連の軍事力は既に米国を上回っていたが、それは
ソ連が米国の技術情報盗んだから。
大きな代理戦争は、無いと思うが。
大国は小国に勝てなくなった。
中国は方向性を変えることが大事。

『民間人を装った諜報活動について』
スパイに関して日本人の認識は薄い。
JAICA職員は気候情報を得るために自分で気象観測をしていたらスパイ容疑で捕まった。

中国側も日本に対する厳しい態度を示すために捕まえる傾向がある。

スパイと言うのは非合法でやる事。
合法的な情報収集行なっている。

各国が非合法なスパイ活動をしている時に日本人は無防備。
アメリカロシアも欧州も同じ。
ウッカリ情報収集をしようとするとスパイと間違えられる。

安倍晋三3選で今後の日中関係?

安倍晋三も習近平も日中関係を改善したいと思っていると思われる。

経済面から見て双方とも改善を目指しているが、様々な環境のもとで
進められていない。
内政にも響く。
国民意識も関係改善を求めている。

米中関係が長期に悪化する方向の中で習近平も日中関係が重要と思っているだろう。

日本外交がそれをできれば世界にも影響を与えるだろう。





そして、今朝の西日本新聞には、宮本雄二さんのコラムが第2面に
掲載されていました。

提論 〜明日へ〜
【米中関係の行方】 宮本 雄二さん
西日本新聞 ー 2018年09月24日 10時42分
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/teiron/article/452033

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◆衝突回避に日本の役割

 米国の持つ圧倒的な力に裏打ちされた平和の下で、経済のグローバリゼーションが進み、世界経済は大きく発展した。だがその間、欧米諸国を中心に格差は拡大し、公害は深刻になり、移民は増えていった。欧米において、これらはすべてグローバリゼーションのせいにされ、欧米の内向き傾向は強まった。そこに中国が急速に台頭してきた。国際社会は大きな調整期に入ったのだ。米中の対立は、それを象徴している。

 米国の軍事力に支えられた平和の中で、自分の市場は閉じておきながら、技術を盗み、自由な米国市場を使って発展しているとは何ごとか!

 これがトランプ大統領の思いであり、大統領が辺り構わず仕掛ける喧嘩(けんか)を支持する国民の気持ちなのだろう。

 その矛先は主に中国に向かう。経済が発展すれば米国に似た国になると思っていたのに、結果は「中国の特色ある社会主義強国」で、いずれ米国を抜くと宣言したからだ。
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 米国社会は中国があらゆる面で挑戦してきたと認定し、抑え込みに入った。中国も共産党が指導する統治システムを変えるつもりはなく、世界のトップに上り詰める願望を諦めるつもりもない。

 この対立は長期にわたるだろう。米中の衝突は世界全体の平和と発展を根底から揺さぶる。衝突以外に道はないのだろうか。

   ---◆---

 こういう混迷の時代には、米中を含む国際社会は、何が長い目で見て世界全体にとっての根本利益なのか、つまり何が共通利益なのかをはっきりさせておく必要がある。

 世界にとっての根本利益は国際秩序の基本を守ることだと思う。二つの世界大戦という筆舌に尽くしがたい惨禍を被った人類社会は、二度と戦争を起こさないために必死で考え、戦後の国際秩序をつくった。一つが国連に代表される政治秩序であり、もう一つが世界貿易機関(WTO)に代表される経済秩序だ。

 政治の自由民主主義と経済の自由主義。これらが戦後の国際秩序を支えている。それはルールに基づく統治であり、多国間主義である。

 トランプ政権も、多国間主義は嫌いのようだが、よく見れば国際統治の仕組み自体を否定しているわけではない。中国も国際秩序を護持すると何度も言っている。不公平なところは是正し、足りないところは足そうという主張だ。

 日本も、中国も、そしてドイツに代表される欧州も、戦後の国際秩序の最大受益者だ。その仕組みが危機に瀕(ひん)している時に傍観者では許されない。この秩序の基本を守ることが国際社会全体の共通利益でもあるからだ。

   ---◆---

 特に日本の役割は重要だ。米中の本音を探り出し、衝突を回避できる役割を果たせるのは日本しかない。

 米国に対しては、米国の国力が相対的に低下していく中で、ルールに則(のっと)った国際秩序は、結局は米国の利益になることを説き続けるべきだ。中国に対しては、中国の一つ一つの言動が、ルールに合致したものであると証明することが、中国の主張の信頼性を高めることを説くべきだ。

 国連にしろ、WTOにしろ国際システムには、多くの欠陥もある。これを国際秩序の基本理念と原則に照らし、より良いものにすることこそ、われわれの課題なのだ。

 米中を説いて、その方向に世界を導いていくことこそ、日本外交の今日の課題であり挑戦なのだ。責任の大きさにおののく必要はない。見渡せば多くの同士がいる。欧州、インド、インドネシア、ブラジル、南アフリカ、皆そうだ。やろうと思えばできる。

 この仲間に、中国が積極的に入りたいと言うのなら、拒否する必要もなかろう。

 【略歴】1946年、福岡県太宰府市生まれ。修猷館高-京都大法学部卒。69年に外務省入省。中国課長、アトランタ総領事、ミャンマー大使、沖縄担当大使などを歴任。2006年から10年まで中国大使。著書に「強硬外交を反省する中国」など。

=2018/09/24付 西日本新聞朝刊=


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