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【広島原爆の日 「核は絶対悪」掲げて進め 】西日本新聞の社説

2018年8月7日(火)

広島原爆慰霊の日に西日本新聞が社説で「核は絶対悪」と論じています。

そのまま引用して御紹介します!


広島原爆の日 「核は絶対悪」掲げて進め
西日本新聞【社説】ー 2018年08月06日 10時39分
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/438974

 広島と長崎に原爆が投下されて73年目の夏を迎えた。きょう6日は「広島原爆の日」である。

 この1年、北朝鮮の核問題が大きく動く一方、核保有国は核軍縮の流れを逆転させた。核を取り巻く世界情勢は流動化している。

 高齢化する被爆者の悲願である「核なき世界」の入り口は見えているのか。唯一の戦争被爆国である日本の役割は何か。慰霊と追悼の日に、あらためて考えたい。

 ●北の「非核化」足踏み

 歴史的な米朝首脳会談から間もなく2カ月となる。

 会談でトランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「朝鮮半島の完全非核化」で合意した。

 その後、米国は軍事演習を中止し、北朝鮮も核やミサイル発射実験を控えている。核兵器を持つ二つの国家が戦争を始めるという最悪の事態は、当面避けられたといえる。核の歴史上、今回の危機回避の意義は決して小さくない。

 ただ、北朝鮮の「完全な非核化」への具体的な動きは、まだ始まってもいないのが現状だ。

 「完全な非核化」には、まず北朝鮮が全ての核情報を申告し、それに基づいて核施設や核兵器を解体、搬出するプロセスを決定し、実行しなければならない。しかし北朝鮮はまだ申告をしておらず、廃棄に向けた行程表作りも進んでいない。北朝鮮の非核化の意思を疑う声も根強い。

 共同通信社が6~7月、全国の被爆者に実施したアンケートでは朝鮮半島の非核化について「期待するが、本当に実現するか懐疑的」の回答が51・8%に上った。

 期待と不安に揺れる被爆者の心情が伝わってくる。

 ●大国の核軍拡競争も

 仮に北朝鮮の非核化が実現したとしても、世界が「核廃絶」にそれほど近づいたとは言えない。ストックホルム国際平和研究所の推計によれば、世界にはいまだに1万4千個以上の核弾頭が存在し、そのうち北朝鮮の核は10~20個にすぎないからだ。

 世界の核の大半を占める米国とロシアの核軍縮交渉は長期間、中断したままである。

 さらに衝撃的だったのが、2月にトランプ政権が発表した新たな核戦略指針だ。核兵器の使用条件を緩和し、爆発力の低い小型核を開発する方針を示した。

 米国の保有する核兵器が威力が大き過ぎ、事実上使えなくなっているため、「使える核」を持ちたいという意図だ。しかし小型核とはいうものの、広島、長崎の原爆と同等程度の威力とみられる。それを使うつもりなのだろうか。

 ロシアと中国は警戒感を強めている。「核抑止」の名を借りた核軍拡競争を招くのは必至だ。

 日本政府はこの新指針を「高く評価する」(河野太郎外相)との談話を出した。あまりの米国追従ぶりに言葉を失う。

 ●国際法の枠組み必要

 核拡散防止条約(NPT)で核保有を認められた五大国(米、ロ、中、英、仏)は、保有国を増やさない「不拡散」には熱心だ。しかし、同じ条約で義務付けられた自分たちの核軍縮には、「核で核を防ぐ」抑止論を盾に、まじめに取り組もうとしない。

 業を煮やした非核保有国や非政府組織(NGO)が中心となり、昨年7月に核兵器を初めて国際法で禁止する核兵器禁止条約を国連で成立させた。旗振り役の「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」はノーベル賞を受けた。

 核兵器を「必要悪」と考える核抑止論を捨てて、核兵器を「絶対悪」として核廃絶に向かおうというアプローチである。

 川崎哲ICAN国際運営委員は「核抑止論とは核兵器を使いやすくすればするほど平和になるという謎の論理」と皮肉る。米朝非核化交渉も「きちんとした国際法の枠組みで進めるべきだ」として、取引でなく核兵器禁止条約を活用した非核化こそ有効だと訴える。

 確かに、世界が核抑止論を捨てない限り、北朝鮮のような新たな核開発国の出現を阻むことはできないだろう。「核には核」の論理は米朝とも同じだからだ。

 米国の「核の傘」に頼る日本政府は、相変わらず核抑止論に固執し、核兵器禁止条約への署名を拒否している。しかし、被爆者の体験を真摯(しんし)に聴けば「核は絶対悪」の確信にたどり着くはずだ。

 主体的に北東アジアの核軍縮の将来像を描くとともに、「核は絶対悪」を掲げて核廃絶を目指し世界をリードする。それが唯一の戦争被爆国、日本政府の役目だ。被爆者たちの悲願に向けて、日本政府は限りない努力をしてほしい。

=2018/08/06付 西日本新聞朝刊=




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