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諫早湾干拓訴訟判決で西日本新聞が社説掲載!

2018年8月1日(水)

連日、諫早湾干拓訴訟判決に関する記事で恐縮ですが、
今日は、西日本新聞の社説を御紹介!


諫干開門訴訟 国の「ごね得」は許されぬ
西日本新聞【社説】ー 2018年08月01日 10時44分
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/437684

 有明海沿岸で地域対立が一段と深刻化するような事態は避けなければならない。国が今回の「逆転勝訴」で紛争解決の責任を免れたつもりでいるのであれば、見当違いである。

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡って福岡高裁が、国に潮受け堤防の開門を命じた確定判決を無効化する判決を言い渡した。確定判決に従わない国の「ごね得」をいわば追認した形だ。これが問題の解決につながるのか。答えは否であろう。

 そもそも、漁業者と営農者の対立の原因をつくったのは国である。事業の必要性はもちろん、いったんは開門調査に応じる姿勢を示しながら態度を翻した国の動きは不誠実であり、それが紛争を複雑化させてきた。

 今回の判決はあまりに形式的だった。漁業者側が持つ共同漁業権は確定判決後にいったん期限が切れており、開門の請求権はない-とした。漁業者側は漁業権を再取得しており、継続性を認めない判断は妥当なのか。高裁は他の争点について、漁業権消滅を理由に「判断するまでもない」と切り捨てた。

 潮受け堤防閉め切りから20年以上がたつ。多くの法廷で漁業者が訴えたのは、有明海での不漁は堤防閉め切りに起因するのではないかという素朴かつ深刻な問いだ。言い換えれば「宝の海」と呼ばれた有明海をいかに再生するか。この命題は漁協関係者のみならず沿岸に住む多くの人が共有している。

 高裁は一時和解案を示し、何らかの展望を示す期待も生まれただけに失望感は大きい。紛争解決の任を負う司法の役割を果たしたといえるのか疑問だ。

 漁業者側は上告し、最高裁の判断を仰ぐ構えだ。ただし仮にそこで判断が覆ったとしても、地域間の対立は残り、国はこれまで同様、さまざまな理由を付けて開門しない可能性もある。

 そうした状況を政治は傍観したままでいいのか。司法での解決に限界があるとすれば、漁業者側が望む開門調査も組み込んだ新たな和解案を構築する。そうした政治解決の道も視野に入れるべきではないか。

 問題を「開門か非開門か」という一点に矮小(わいしょう)化させてはならない。そのことも指摘しておきたい。有明海の不漁は、潮受け堤防だけでなく、地球温暖化による全国規模の不漁や、養殖に使われる薬剤との関係など、複合的な要因も考えられる。

 その意味でも開門調査を含めた詳しい究明の取り組みが必要である。無論、開門調査では営農者が懸念する塩害などへの十分な対策が前提になる。

 漁業者と営農者の誰ひとりとして対立は望んでいない。国はその現実を見据えるべきだ。

=2018/08/01付 西日本新聞朝刊=




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