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北朝鮮からの積極的なアメリカへの対話呼びかけで 安倍政権は『置いてきぼり』

2018年3月15日(木)

今日はダイヤモンド・オンラインに掲載された軍事ジャーナリスト
 田岡俊次さんの投稿記事を御紹介してお茶を濁します (-_-;)

いつものタカ派的方向では無く、冷静な『分析』

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米朝会談は自然の流れ、置いてけぼり日本は苦しい立場に
 DIAMOND online :田岡俊次 - 2018.3.15
 http://diamond.jp/articles/-/163374


 (WEB版で7分割の長い記事)


「対話」の予兆はあった
北の「核武力完成」の声明の意味

 http://diamond.jp/articles/-/163374


経済制裁逃れよりも
米国の攻撃を避ける狙い

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=2


武力行使に慎重な米軍首脳
「何をするかわからない大統領」

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=3


トランプ大統領に相当な恐怖心
米国の軍首脳たちは武力行使に慎重

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=4


冷戦時代の感覚では間違う
戦争回避に必死の首脳たち

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=5


北の核放棄は期待できず
実戦配備「凍結」は米には成果

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=6


米朝、南北の「対話」続けば
関与できない日本は苦しい立場に

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=7



【結論】
米朝、南北の「対話」続けば
関与できない日本は苦しい立場に
http://diamond.jp/articles/-/163374?page=7
【 軍人と共に武力行使に反対し、対話の道を探っていたR・W・ティラーソン国務長官は3月13日解任され、後任は「先制攻撃」を唱えてきたM・R・ポンペオCIA長官だから、北朝鮮、韓国との裏での折衝も難しいだろう。

 核放棄に関しては、将来の双方の努力目標のような玉虫色の合意とする手もあるだろう。だが合意に達しなくても、対話が続く間、北朝鮮は核実験やミサイル試射は行わず、米国も「南北対話中は武力行使をしない」と言明している。

 米朝、南北でだらだらと対話が続けばその間戦争は避けられる。

 ただ日本はその対話におそらく関与できず、「北朝鮮の核に対する抑止力」を標榜する米国への追随がさらに深まることになる可能性が高いだろう。

(軍事ジャーナリスト 田岡俊次)】

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「対話」の予兆はあった
北の「核武力完成」の声明の意味

 http://diamond.jp/articles/-/163374
 

 3月5日、韓国の文在寅大統領の特使団が平壌で北朝鮮の金正恩国務委員長と会談、金委員長はトランプ米国大統領と、非核化と米朝関係正常化のための対話を望んでいることを米国に伝達するよう求めた。またその対話が続く間、核実験と弾道ミサイル発射実験を行わないとし、例年の米韓合同演習にも理解を示した。

 これを特使団から伝えられたトランプ大統領は8日「5月までに米朝首脳会談に応じる」との意向を表明、戦争に向け刻々と進んでいた時計の針は少なくとも当面は停止した。米朝関係の急展開に驚きの声も多いが、「対話」は自然の流れだ。

「対話」の予兆はあった
北の「核武力完成」の声明の意味
 実はその予兆は昨年10月からあった。

 昨年11月16日付け本コラム「北朝鮮の自制はなぜか、孤立するトランプと『完全に一致』した安倍の危うさ」で、私は「北朝鮮の自制はなぜか」「核戦力の建設達成、は中断の弁明」「米国の軍事圧力に一定の効果か」との見出しでそれを指摘した。

 北朝鮮の「労働新聞」が10月28日に「核戦力の建設は既に完成の目標が達成された」と報じたのは、これ以上核実験、ミサイル試射の必要はない、との意味で、実験を中断することの内外に向けての弁明だろう、と述べた。



経済制裁逃れよりも
米国の攻撃を避ける狙い

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=2
 

 北朝鮮は昨年2月12日から9月15日までの7ヵ月間に計13回の弾道ミサイル発射実験を行ったが、それ以降は2ヵ月以上中断していた。

 だが米国は9月11日に国連安保理が決議した内容をはるかに上回る独自制裁を発表、中国等にも同調を求めたから、北朝鮮はそれへの牽制のためか11月29日にICBM「火星15」の発射実験を行った。これは高度4400kmに達し、53分も飛行した。米国とロシアの間をICBMは30分ないし40分で飛ぶから、53分も飛行したのは驚くべき性能だった。

 だが、この実験後、金委員長は「核武力完成の歴史的大業、ロケット大国の偉業が実現された」と開発の一段落を示す声明を出し、核・ミサイル実験凍結を条件として、米国との対話をはかろうとしていると解釈できる姿勢を見せていた。

 核・ミサイル開発を凍結する場合、「米国の軍事的圧力や経済制裁に屈した」と内外で言われるのを、少しでも防いで面子を保つためには「完成したからこれ以上実験の必要はない」と唱えるしかなかっただろう。まさしくこの時の声明は、今回の「米朝対話」合意の予兆だった。

経済制裁逃れよりも
米国の攻撃を避ける狙い
 日本政府は常に「必要なのは最大限の圧力だ。対話ではない」と唱え、経済制裁に北朝鮮が屈して核放棄を言い出すことを願っていた。だから今回、北朝鮮が「非核化をめぐる協議」を含む米朝会談を求めてきたのは「経済制裁の効果だ」と喧伝する。

 だが、北朝鮮が「核・ミサイル武力の完成」を語って、凍結の気配を示し始めたのは昨年10月28日だった。経済制裁の効果が出るには数ヵ月以上掛かるから「北がそれに音をあげた」と言うのは早すぎる。9月11日の国連による制裁決議から半年たった今日でも、北朝鮮経済の苦境が極度に達した様子は見られない。

 また米朝首脳会談が行われても、すぐに経済制裁が解除されるはずがないことも金委員長は分かっているはずだ。



武力行使に慎重な米軍首脳
「何をするかわからない大統領」

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=3
 

「経済制裁で核・ミサイル開発の資金源を断つ」と言う人も少なくないが、弾道ミサイルは構造が航空機よりはるかに簡単だ。

 燃料と酸化剤の2つのタンクを持ち、バーナーで燃やすが、約7、8分で日本に届く中距離ミサイルの燃焼時間は1分程、米国に届く大陸間弾道ミサイルでも5分程、その後は惰力で弾道飛行するからロケットエンジンの寿命は短くてよい。使い捨てのライターに似て製造コストは意外に低いのだ。

 昨年8月30日、河野太郎外相は国会で北朝鮮の核・ミサイル開発経費につき「韓国外交部との意見交換によれば、昨年実施した2度の核実験と二十数発のミサイル発射で少なくとも200億円」と答弁した。日本が導入中のF35A戦闘機は1機146億円だから200億円はその1.4機分。北朝鮮のGDPの0.6%程度だから「経済制裁で核・ミサイル開発の資金源を断つ」のは困難だ。

 金正恩委員長は先代以来の「先軍政治」に代え、経済と軍事の双方を発展させる「並進路線」を2016年から唱えているから、経済制裁が徐々に効果を表すことは困るだろう。だがこれまで世界で多くの経済制裁が行われたが、それで政権が倒れた例はない。結局は「嫌がらせ」にすぎず、むしろ国民が他国の圧力に反発し、団結を強める方向に作用した例が少なくない。

 こうしたことを考えると、北朝鮮が核・ミサイル実験の凍結を「担保」に出す形で、米国との対話を求めるのは経済制裁逃れよりも、米国の攻撃を避けることが主目的、と考える方が自然だ。

武力行使に慎重な米軍首脳
「何をするかわからない大統領」
 米軍は昨年、例年の米韓合同演習「フォール・イーグル」(3月7日~5月30日)、「キー・リゾルブ」(指揮所演習、3月13日~24日)「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」(8月21日~31日)を行った。



トランプ大統領に相当な恐怖心
米国の軍首脳たちは武力行使に慎重

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=4
 

 これに加えて、7月24日から28日にかけ空母G・ワシントンなど20隻が参加した合同演習を行い、さらに10月16日から20日にかけては空母R・レーガンや巡航ミサイル「トマホーク」を最大154発搭載可能な原潜「ミシガン」など米韓の40隻が参加する海軍演習、11月11日~15日には米空母3隻が日本海に集結し、海上自衛隊、韓国海軍と合同演習、12月4日~8日には、ステルス戦闘機F22やF35を含む米韓空軍機230機が参加した「ビジラント・エース」演習など、さかんに大規模な演習を行って軍事的圧力(威嚇)を加えた。

 だが、米国の軍首脳たちは武力行使に慎重だ。マティス国防長官(退役海兵大将)は「武力的解決に突き進めば信じ難い程の悲劇的事態となる」と説き、米統合参謀本部は上下両院議員16人の質問主意書に回答した文書の中で、「北朝鮮の核兵器は地下深くに配置されており、位置を確定し、すべてを確実に破壊するには地上部隊の侵攻が唯一の手段」と述べ、「外交的解決を支持する」と、戦争反対の姿勢を示した。

 米軍が航空機や巡航ミサイルで先制攻撃をしようにも、北部山岳地帯の谷間に掘られた無数のトンネルに、自走発射機に載せて隠されている百基以上の弾道ミサイル(うち約30基は核付きと見られる)の詳細な位置は不明だ。

 一挙に全部を壊すことは不可能で、一部を破壊すれば、米軍、韓国軍との戦争で滅亡必至の北朝鮮は自暴自棄となり、残った核ミサイルを韓国、日本に発射する公算は大きい。両国で数百万人、あるいはそれ以上の犠牲者が出ることになりかねないし、韓国に23万人、日本に9万人の米国民間人が住むから米軍首脳部は開戦に慎重にならざるを得ないのだ。

 一方で、米国では、タカ派の政治家、論客が「北朝鮮が米国に届くICBMを配備すれば、米国は北朝鮮の核の脅威にさらされる。そうなる前に潰し、米国民の命を守るのが第一だ。他国の犠牲には構っておれない」と主張する。世論調査でも米国人の63%は武力行使に賛成、反対は32%だ。

 トランプ大統領も武力行使を主張する議員に対し「それをやれば多くの死者が出る。だがそれはあちら(朝鮮半島と日本)で、こちら(米国)じゃないがね」と言ったと報じられる。

「アメリカファースト」を唱え次々に非常識で軽率な行動を取って来た不安定な人物を対手にチキンゲームをすることになった金委員長は、一歩間違えれば滅亡につながるだけに、相当な恐怖心を抱かざるを得なかっただろう。米国の最大の抑止力は「何をするか分からない大統領」とも言えよう。



冷戦時代の感覚では間違う
戦争回避に必死の首脳たち

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=5
 

 その一方で、トランプ大統領は以前から「圧力強化」を目ざすと同時に「対話を望む」意向も示していた。

 1月9日に板門店で南北閣僚級会談が開かれる5日前の4日に米国はオリンピック、パラリンピック開催中は米韓合同演習を延期することに同意した。さらに6日には、トランプ大統領は9日に開かれる予定の南北閣僚級会談について記者団に「良い結果を望む。オリンピックの範囲を超えた話し合いが行われれば素晴らしい。適切な時期に米国も関わる」と歓迎と期待感を示していた。

 当時この会談のテーマは平昌オリンピックでの南北協力に限定される、と思われていたが、トランプ大統領はそれ以外の政治的議題も協議されることをすでに知っていた様子だ。韓国は十分トランプ大統領に根回しを行っていたのだろう。

 この会談ではオリンピックへの北朝鮮の参加の外に「軍事的緊張状態を緩和するため共同で努力し、解決のため軍事当局者会談を開催する」「南と北は南北関係のすべての問題を朝鮮半島問題の当事者として、対話と交渉を通じて解決する。このため各分野の会談を開催する」ことが合意された。

 トランプ政権はただちにこの会談を「前向きな動き」として歓迎する意向を表明、文大統領との電話会談でトランプ大統領は「適切な時期と状況下で米朝対話を行いたい」と積極的姿勢を示した。トランプ大統領にとって、北朝鮮に対し振り上げた拳を降ろす機会だったのだろう。

 このような事態の推移を見ていれば、3月5日に金正恩委員長が韓国特使団に対し「米トランプ大統領との対話を望んでいることを米国側に伝えてほしい」と言い、8日韓国の特使が訪米して報告したところ、トランプ氏が国務省などと相談せず、独断専行で即座に首脳会談開催に同意したのは「意外」でも「突然」でもない。自然な流れの結果だった。

 いまなお冷戦時代そのままの国際感覚で情勢を見る人々は「日米韓が連携し、北朝鮮と対決」という図を頭に描き、それに合致した情報を重視し、それに反するものは無視するから、予測が狂ってあわてることになる。情勢判断にイデオロギーや感情などのバイアスは禁物なのだ。



北の核放棄は期待できず
実戦配備「凍結」は米には成果

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=6
 

 文大統領が北朝鮮に対し「融和的」であると非難する声も日本、韓国の右派から出るが、もし米国が北朝鮮を攻撃し戦争になれば、韓国と北朝鮮は共に存亡に関わる程の被害を受ける。南北双方の指導者が戦争を回避するため必死の努力をしたのは当然だ。

 もし戦争になれば日本も巻き込まれ、数百万人の犠牲者が出る可能性が高かったから、文大統領を非難するより、むしろ感謝すべきだろう。

北の核放棄は期待できず
実戦配備「凍結」は米には成果
 もちろん今回の緊張緩和は当面のものだ。米朝首脳会談がトランプ大統領の希望どおり5月までに行われても、北朝鮮の非核化が実現する可能性は極めて低い。

 冷戦終了後間もない1990年、当時のソ連は韓国を承認して国交を樹立、92年に中国もそれに続いたため、北朝鮮は2大スポンサーにほとんど見放されて孤立、衰弱し、それ以後ロシア、中国からの武器入手もできないでいる。

 このため北朝鮮は本格的な核兵器と弾道ミサイルの開発を始め、それには一応成功した。GDPが韓国の約50分の1で、兵器もほとんどが老朽化した北朝鮮にとって、ほぼ核だけが頼りだ。北朝鮮が容易に核を放棄することは期待できない。

 ただ、北朝鮮が、今後、米国本土に届くようなICBMの試射や核実験を行わず、実戦配備をしないことで「凍結」をすれば、トランプ大統領は自国民に対し「私が北朝鮮の核の米国への脅威を防いだ」と成果を誇れる。

 北朝鮮はその見返りに、1953年の朝鮮戦争の停戦協定を平和協定にし、すでに国連には韓国と別の国家として1991年に同時加盟している北朝鮮を、国家として承認し、国交を樹立することを求めることになりそうだ。



米朝、南北の「対話」続けば
関与できない日本は苦しい立場に

 http://diamond.jp/articles/-/163374?page=7
 

「凍結」だけでも米国は北朝鮮の核に対して本土の安全を保つことに成功した、と言えよう。だが日本にとっては北朝鮮が日本に届く核ミサイルを保有し続けることを米国が黙認し、北朝鮮を承認することになれば、極めて苦しい立場になる。

 米国に続いて日本も北朝鮮と国交樹立をしようとすれば、1965年の韓国との国交正常化の際、請求権並びに経済協力協定で無償3億ドル、有償(長期低利貸付け)2億ドル、民間融資3億ドルの資金提供を行った例を、北は持ち出すと思われる。50年以上の昔とくらべ時代や物価も変わっているから、その何十倍もの要求を突き付けかねない。

 米朝の首脳会談で「凍結」が合意されれば、「(北朝鮮問題で)アメリカと100%一致している」と言ってきた安倍政権と外務省にとっては「最悪の事態」となる。

 だがもし米朝の戦争になれば、日本でも人的、物的被害は桁違いに大きい。こちらの方が真の「最悪」で、核の「凍結」での米朝合意は、それに次ぐ難局ということになるだろう。

 米国内でも「北朝鮮の核保有を黙認すれば、今後、北朝鮮が核実験と発射実験はやらなくても、研究開発は続くから脅威は高まる」「国連でも北朝鮮の核廃棄を要求する決議が行われたのに、それを無視した和解は腰くだけだ」など、対話に対する批判が出そうだし、北朝鮮国内の人権問題も指摘されよう。

 軍人と共に武力行使に反対し、対話の道を探っていたR・W・ティラーソン国務長官は3月13日解任され、後任は「先制攻撃」を唱えてきたM・R・ポンペオCIA長官だから、北朝鮮、韓国との裏での折衝も難しいだろう。

 核放棄に関しては、将来の双方の努力目標のような玉虫色の合意とする手もあるだろう。だが合意に達しなくても、対話が続く間、北朝鮮は核実験やミサイル試射は行わず、米国も「南北対話中は武力行使をしない」と言明している。

 米朝、南北でだらだらと対話が続けばその間戦争は避けられる。

 ただ日本はその対話におそらく関与できず、「北朝鮮の核に対する抑止力」を標榜する米国への追随がさらに深まることになる可能性が高いだろう。

(軍事ジャーナリスト 田岡俊次)




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