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【‪第三者報告に書かれなかったゴーン氏への三つの疑問】 日産・無資格検査の“最終報告”

2017年11月28日(火)

日産の検査不正に関する毎日新聞「経済プレミア」の連載記事から
昨日の記事に引き続き御紹介します!

Keizai-Premier_20171122-01.jpg
   (画像は‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月22日 より)


‪国交省局長に6度も頭を下げた日産社長の“失態” ‬
‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月21日‬
‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171120/biz/00m/010/017000c‬
無資格検査の“最終報告”(1)


‪「法令違反を承知で検査不正」日産工場現場の実態とは‬
‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月22日‬
‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171121/biz/00m/010/037000c‬
無資格検査の“最終報告”(2)


‪日産の現場を疲弊させた「原価低減推進室」の必達目標‬
‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月24日‬
‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171122/biz/00m/010/020000c‬
無資格検査の“最終報告”(3)


‪第三者報告に書かれなかったゴーン氏への三つの疑問 ‬
‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月27日‬
‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171124/biz/00m/010/007000c
無資格検査の“最終報告”(4)

2016年に日産追浜工場を訪れた際のゴーン氏=同年10月24日、宮島寛撮影
Keizai-Premier_20171127-01.jpg
   (画像は‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月27日 より)

ゴーン流経営は「聖域」? 煮え切らない再発防止策
 毎日新聞「経済プレミア」 - 2017年11月28日
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171127/biz/00m/010/024000c
無資格検査の“最終報告”(5)




     *************

国交省局長に6度も頭を下げた日産社長の“失態” ‬
‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月21日‬

‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171120/biz/00m/010/017000c‬
無資格検査の“最終報告”(1) 

 東京・霞が関の官庁街。国会議事堂を望む一角に国土交通省の入る中央合同庁舎3号館がある。11月17日金曜日の午後2時半。庁舎8階にある自動車局の一室で、70人を超す報道関係者が待ち構えていた。国交省の自動車局は国の自動車行政をつかさどる部署である。

 最初に奥田哲也・自動車局長が入室し、時間ちょうどに日産自動車の西川(さいかわ)広人社長が入ってきた。西川社長は奥田局長に「大変大きなご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません」と深々と頭を下げ、9月29日の発覚以来、大きな波紋を広げてきた車の無資格検査の「最終報告書」と位置付けた書類を手渡した。
 奥田局長は書類を手にしたまま、問題発覚以降の経緯を振り返り、「(日産は)ただちに(無資格検査を)是正されたということでしたが、そうなっていなかったことが発覚しました。また、検査員の社内試験においても問題があったことがわかり、驚きを禁じえません」と述べた。
 さらに、「こうした事態は日産自動車の信頼を傷つけるのみならず、国の型式指定の信頼性を揺るがしかねないゆゆしき事態で、極めて遺憾であります」「日産自動車はこの事態を猛省していただいて、国民の信頼を取り戻すように対応してもらいたい」と西川社長を厳しく叱責したのである。

10分足らずの短いセレモニー

 西川社長は「今の言葉を真摯(しんし)に受け止めて猛省いたします。誠に申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げ、退室した。10分足らずのセレモニーだったが、西川社長は6度にわたって奥田局長に頭を下げたのである。

 無資格検査が発覚してから、西川社長が報道陣に姿を見せるのは4回目だ。最初は発覚翌週の10月2日の記者会見で、西川社長は「今回起きたことはあってはならないこと。日産を代表して心からおわびを申し上げます」と陳謝した。ただ、口では謝ったものの、頭を下げなかったとして、「これが謝罪会見か」とメディアの一部から批判の声が出た。
 その記者会見で西川社長は「無資格検査をすべての工場でやめた」と言ったが、実際にはやめずに続いていたことが発覚し、10月20日、2度目の会見を開いた。このとき、西川社長は「深くおわびを申し上げます」と頭を下げた。ただし深々とではなく、0.5秒だけさっと軽く頭を下げただけだった。
 その後、事態はさらに混迷する。国交省の立ち入り検査に対し、日産の従業員が無資格検査を隠していたことが発覚した。検査員の認定試験で、受験者に解答を見せて試験が行われたこともわかった。「過失」ではなく「故意」の不正ではないかと日産への疑惑が広がった。
 そのさなかの11月8日、日産の2017年4~9月期決算会見が開かれ、西川社長が登場した。この際に西川社長は、一連の問題を謝罪したうえで、席を立ち、机の脇に身を移し、6秒にわたって初めて深々と頭を下げたのである。

海外向けは「問題なし」

 ここから先は想像になる。西川社長は、無資格検査が発覚した当初、問題をそれほど重くとらえていなかったのではないか。確かに無資格の検査員が検査を行ったことはよくないことだが、海外向けの車は、検査員による完成検査という制度はなく、問題発覚後も生産・出荷が続いている。車自体の安全性は国内向けも輸出向けも変わりない。
 工場の現場で、手続きに誤りはあったかもしれないが、昔からの現場の「あしき慣習」が続いていただけ。現場に是正を指示してやめさせ、きちんと再発防止策を国交省に説明すれば、一過性の問題として片が付けられる。あくまで推測だが、そんな思いが、10月2日の頭を下げなかった記者会見から透けてみえる。
 だが、今振り返れば、西川社長は問題の重大さを見誤っていたと言わざるをえない。だから国交省の局長から「驚きを禁じえない」「ゆゆしき事態」「猛省をしてもらいたい」などと、大手メーカーに対して、普通なら使わないような言葉で叱られてしまったのだ。
 では、最終報告にはどんなことが書かれていたのか。

 次回以降、詳しく報告する。 




‪「法令違反を承知で検査不正」日産工場現場の実態とは‬
‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月22日‬

‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171121/biz/00m/010/037000c‬
無資格検査の“最終報告”(2) 

 日産自動車は11月17日、無資格検査問題で「最終報告」と位置付けた報告書を国土交通省に提出し、公表した。「最終報告」は二つに分かれる。一つは西村あさひ法律事務所に依頼して、事実関係と原因を調査してもらった「第三者報告書」(120ページ)。もう一つが、それを踏まえた日産自動車による報告書(92ページ)だ。
 まず、第三者報告書で認定された事実を紹介する。日産は自動車を生産する工場が国内に六つある。このうちオートワークス京都(京都府宇治市)を除き、追浜工場(神奈川県横須賀市)、栃木工場(栃木県上三川町)、日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)など5工場で無資格検査が行われていたと認定された。


 日産はこれまで6工場すべてで無資格検査があったと発表していた。なぜ無資格検査をしていない京都までやっていることにされてしまったのか、日産からとくに説明はなかった。本社と工場との意思疎通がうまくいっていないということだろうか。

課長、部長、工場長は実態を知らず

 さて、追浜や栃木などの工場では、資格のない「補助検査員」と呼ばれる従業員が完成検査を1人で行い、完成検査員の印鑑を使って検査終了証に押印していた事実が確認された。印鑑は完成検査員ごとに複数作られ、予備の印鑑が補助検査員に貸与されていた。
 栃木工場では補助検査員でもない、一般従業員が完成検査の一部を行っていた。無資格検査は栃木工場では1979年から行われていた疑いがあり、他の4工場でも90年代には常態化していた。
 どの工場でも、完成検査員の多くは、補助検査員が1人で完成検査を行うことは法令違反と知っていた。だが、検査の技能に習熟したと判断した場合には完成検査を行わせてもいいと勝手に判断しており、第三者報告書で「規範意識が著しく鈍麻(どんま)していた」と指摘された。
 生産ラインの運営を取り仕切る係長や、その下の工長も、完成検査員の経験があるため、法令違反であることを知って運用を続けていた。係長の上の品質保証課長、品質保証部長、工場長らは完成検査員の経験がなく、係長以下に完成検査ラインの運用を任せきりにしていた。課長、部長のいる職場は、完成検査ラインとは離れた場所にあり、法令違反が行われている実態を知らなかったという。

国交省調査の当日は「会議室で待機」

 完成検査員に任命するための試験では、問題と解答が一緒に配布されたり、教材を見ながら解答を記入するといった不正があった。試験は行われず、問題用紙を持ち帰って1週間後に提出したと話す従業員もいた。栃木工場では、「試験中、工長から、合格点になるまで解答を教えてもらい、残りの問題は間違えるよう指示された」との証言もあり、デタラメな試験が横行していたことがうかがえる。
 国交省や本社の内部監査が行われる日には、補助検査員は完成検査ラインから外れ、会議室で待機していたり、資格があることを示すバッジをつけるといった「不正隠し」が行われていた。
 係長らは、実態を知らない品質保証課長や部長、工場長らに対しても、補助検査員が完成検査を行っている実態を隠していたという。その理由について「補助検査員に1人で完成検査を行わせていることが明らかになれば、職制(管理職)から叱責されると考えたため」と答えた者もいた。

 次回、なぜこうした不正が行われていたか、その原因についての第三者報告書の記述を報告する。 





‪日産の現場を疲弊させた「原価低減推進室」の必達目標‬
‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月24日‬

‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171122/biz/00m/010/020000c‬
無資格検査の“最終報告”(3) 

 日産自動車が11月17日に公表した第三者報告書は、五つの工場で無資格検査が常態化していた原因の一つに、ここ数年の国内生産増加のなかで、「慢性的な完成検査員不足」が生じていたことをあげている。
 第三者報告書は、工場ごとに無資格検査の実態を記載している。国内の生産台数の半分を担う日産九州(福岡県苅田町)では、2000年ごろから無資格検査が行われていた。そして、団塊の世代の退職の影響や、他工場への完成検査員の応援派遣により、16年ごろから無資格検査が頻繁に行われるようになったという。


 日産九州の完成検査員の大多数は「補助検査員を外した場合、計画された生産台数の完成検査を終わらせることはできなかった」などと述べている。

「2交代制から3交代制へ」現場の負担

 日産自動車の国内生産は、10年以降に進んだ急激な円高で、海外生産に重点が置かれ、国内生産は減少していた。だが、15年ごろから、スポーツ用多目的車(SUV)の販売が好調な米国市場向けや、国内で好調な小型車ノートの増産などで、生産台数が急増した。
 日産車体九州(同)では、輸出用SUV増産で、16年10月に勤務体制が2交代制から3交代制に変更された。この結果、著しい完成検査員不足に陥ったという。
 追浜工場(神奈川県横須賀市)でも、日産九州から小型車ノートの生産移管を受け、同9月から1直化していた生産ラインを昼夜2交代制にした。そうした状況のなかで、補助検査員に完成検査を行わせなければ、完成検査ラインは回らなくなったという。
 日産車体湘南工場(同県平塚市)でも17年9月から2交代制になったことで検査員不足が深刻化した。ある完成検査員は「会社は『コストがかかるから人員を削減しろ』『品証(完成検査ラインの所属部署)も年間1人減らせ』とよく言う。それによって無理やり人を減らしてしまった」と証言する。

工場の人減らしの実態

 この工場の人減らしの実態について、第三者報告書は詳しく記述している。
 日産本社の原価低減推進室から毎年、各工場に対して労務費の「低減率」が必達目標として示される。この低減率に基づいて、生産ラインに配置する人員を、年々減らすことが求められ、ライン配置人数には余裕が出ることはなかったという。
 日産の国内6工場のうち、3工場を管轄する子会社の日産車体の場合、「低減率」に基づいて毎月20日ごろに各工場の所要人数を算定していた。所要人数は正社員、期間従業員、派遣社員の区別はなかった。検査を担当する部署の必要人数も示されたが、完成検査員が何人という区別はなかった。

 このため、現場の工長から、「低減率に沿って人員が減らされるとラインが回らなくなる」などの意見が出されたこともあった。ただし、低減率の達成が必達目標となっていることを工長もわかっていて、本当に人繰りが厳しいときしかこうした意見は出なかったという。

徹底したコスト削減の「ひずみ」

 日産は、1990年代後半に倒産寸前の経営危機に陥ったが、仏ルノーの出資を受けて傘下に入り、17年間にわたって社長を務めたカルロス・ゴーン現会長のもとで劇的な業績回復を果たした。その原動力が徹底したコスト削減と、提示した数値目標は必ず守るという手法だった。
 業績回復には大きな役割を果たしたやり方だが、工場の生産現場には、「ひずみ」がたまっていたことが第三者報告書の記述でうかがえる。

 次回は、今回の検査不正と、ゴーン流経営との関わりについて、第三者報告書や日産の現経営陣がどう総括したかを報告する。 





‪第三者報告に書かれなかったゴーン氏への三つの疑問
 ‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月27日‬

‪https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171124/biz/00m/010/007000c?fm=mnm‬
無資格検査の“最終報告”(4) 

 日産自動車で長年続いていた無資格検査。その原因を調査した西村あさひ法律事務所は、日産の事実上のトップであるカルロス・ゴーン会長(63)からこの問題について事情聴取した。同法律事務所がまとめた「第三者報告書」で、検査不正とゴーン氏の経営方針との関係をどう分析したのだろうか。
 120ページにのぼる第三者報告書に、ゴーン氏は2カ所登場する。まず98ページの「補助検査員による完成検査が実施されていたことに関する日産役員の認識」と書かれた項目。ここで、「日産の取締役会長、社長、生産部門、品質保証部門の担当役員を始めとする役員12名に対してヒアリング調査を実施した」と書かれている。
 そして、「役員は、いずれも補助検査員が完成検査業務に従事していることを認識していなかったと述べている」と、聴取の結果を記した。さらに、他の社内資料も調査したうえで、「役員が補助検査員による完成検査の実施を知っていたと認めることはできない」と結論づけている。この項目の記述は短く、13行で終わっている。


「取締役会長」の肩書名で2カ所登場

 次にゴーン氏が登場するのは119ページ目「さらなる再発防止策の提言」と書かれた項目だ。そこに、「本件調査を通じ、日産という会社は、取締役会長から現場の一作業員に至るまで、職位を問わず自らの製造する製品に誇りと愛情を持ち、少しでも良い品質の製品をユーザーに届けようという理念を共有している会社であると感じられた」と書かれている。
 「カルロス・ゴーン」という名前は出てこないが、「取締役会長」はゴーン氏のことだ。第三者報告書で、ゴーン氏にかかわる記述はこの2カ所だけだ。

 第三者報告書は、日産の国内5工場で、法令違反である無資格検査が常態化していたと認定した。その原因は「慢性的な完成検査員不足」「著しい完成検査員不足」であり、従業員の一部は「規範意識が著しく鈍麻(どんま)していた」と指摘した。
 さらに、その背景に、ここ数年の国内生産拡大と、工場現場に必達目標として示された労務費の「低減率」達成と、それを実現するための「人減らし」があったことも分析した。徹底したコスト削減と必達目標の完遂は「ゴーン流経営」の中核である。
 それなのに、第三者報告書は、ゴーン会長が「補助検査員が完成検査業務に従事していたことを知らなかった」「製品に誇りと愛情を持ち、良い品質の製品を届けようという理念を共有している」という記述しかしていないのである。

ゴーン氏に厳しく問うべき内容とは

 第三者による調査ならば、次の3点をゴーン会長に厳しく問わなければならない。
 第一に、自社工場で法令違反である無資格検査が常態化していたことをどう考えるか、という点だ。当たり前の問いかけだ。
 第二に、自社工場で法令違反が常態化していたのに、ゴーン会長や経営陣が知らなかったことについて、どう考えるか、という点だ。
 社内でコンプライアンス(法令順守)違反を疑われることが行われているなら、それは、内部監査や内部通報によって、経営陣がいち早く把握しなければならない。いま経営者が求められているのは、そうした内部統制の仕組みを構築することだ。
 今回の無資格検査は、工場で勤務する係長や工長、完成検査員の多くが法令違反と知りつつ上司である課長、部長、工場長に隠していた。「日産の内部統制は崩壊していた」と非難される事態だ。ゴーン会長にそれを突きつけなければならない。

 第三に、法令違反の背景に、コスト削減の徹底と必達目標の達成という「ゴーン流経営」のひずみがあると考えられることをゴーン氏に指摘し、それを踏まえた再発防止策を求めなければならない。

「第三者」が調査に加わった意味

 ゴーン会長は今春まで17年間社長を務め、“死に体”だった日産は息を吹き返した。日産社内にはゴーン氏に疑問を投げかけたり、異を唱えたりする人はいないだろう。だからこそ、第三者が調査に加わったのだ。

 次回は、この第三者報告書を踏まえ、日産が作成した報告書で、検査不正とゴーン流経営との関わりをどう総括したかを報告する。 




ゴーン流経営は「聖域」? 煮え切らない再発防止策
 ‪毎日新聞「経済プレミア」 ー 2017年11月28日

無資格検査の“最終報告”(5)
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20171127/biz/00m/010/024000c 

 五つの工場で常態化していた無資格検査について、日産自動車は11月17日、会社としての報告書を国土交通省に提出し、公表した。そこでは、検査不正と「ゴーン流経営」との関わりについてどのように総括したのか。
 報告書は第1章「事実調査の結果」、第2章「当社の再発防止策について」の2章だてだ。「ゴーン流経営」に関する記述は、報告書の冒頭に書かれている。書き出しは次の通りだ。
 「本事案の発生にあたり、『過度なコスト削減圧力が一因である』、あるいは『工場間の生産効率競争をあおったことが製造現場に無理を強いた』など、『ゴーン流のコミットメント経営での目標達成意識が不正を誘発した』などのご批判を耳にすることがあります」


「目標だけが独り歩きする恐れ」を指摘

 批判に対する日産の認識が、その次に書かれている。

 「当社は健全な改善意欲・目標達成意欲を奨励することはあっても、組織疲労・疲弊を招くようなマネジメントは持続可能性を伴わないものであり、まったく目指すところではありません。しかしながら、場合により、上位のマネジメントに実態の理解不足、あるいは把握不足がある場合、目標だけが独り歩きする恐れがあり、また我々も実際に経験しております」

 「ゴーン流経営」で、組織の疲弊を招くことはあってはならないが、管理者が現場の実態を理解していないと、目標だけが独り歩きすることがあると反省の弁を述べている。そして、次のように記述する。
 「完成検査の問題はそれ以前から常態化していたと認識されるため、まず、長年にわたり、現場において完成検査制度の法令順守の徹底が欠けていたことを理解していなかったことこそがマネジメントの大きな反省点であったと自覚する次第であります」
 法令違反はゴーン流経営が導入される前から広がっていた。だから、ゴーン流経営の問題より、生産現場で法令順守が徹底されておらず、それを経営陣が理解していなかったことが最大の問題だというのだ。無資格検査はここ数年の国内生産台数拡大のなかで、急激に広まったと第三者報告書で指摘されているが、それには触れられていない。

「原価低減推進室」や「必達目標」には触れず

 以上が日産の報告書の冒頭部分だが、それに続く90ページの各論でも、同様の考え方が貫かれている。第三者報告書は完成検査員の「著しい不足」「慢性的な不足」を指摘した。その背景に、日産本体の原価低減推進室から毎年、労務費の「低減率」が示され、各工場はその必達目標を達成するため、ラインの人減らしを迫られていたと指摘した。

 ところが、日産の報告書は、「完成検査員は重大な責任を負っているのであるから、人員調整に当たっても、製造ラインにおける人員調整とは別段の考慮がなされるべきであった」と述べ、「完成検査員」に問題を絞り込んでいる。

 「原価低減推進室」や「労務費の低減率」「必達目標」「人減らし」には一切触れていない。それどころか、「人員のみに着目すれば、完成検査担当部署を含め、車両工場を運営するのに必要十分な人員は配置されていた」と、さほどの根拠を示されずに結論づけているのだ。
 ゴーン流経営への批判は批判として受け止めるが、再発防止にあたっては、徹底したコスト削減に向けた一連の手段は、「聖域」として触れないとの意思が働いているように感じられるのである。

 さて、日産は第三者報告書と自社の報告書を公表したうえで、西川(さいかわ)広人社長が11月17日午後4時半から記者会見を開いた。そこで、報道陣から、カルロス・ゴーン会長の責任問題について質問が集中した。

次回、報告する。   <次回は12月1日に掲載します>




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