JUNSKY blog 2017

政治関連・社会問題などについて書いてゆきます!

前川さんの『告発』の真意は如何に! サンデー毎日記事から

2017年6月6日(火)

毎日新聞(サンデー毎日)の注目すべき記事から

加計学園問題
前川・前文科次官が反乱した本当の理由
 安倍“暴走”政権と霞が関の「致命的な軋轢」=伊藤智永
 毎日新聞(Texts by サンデー毎日)- 2017年6月6日
 公正な行政が政治にゆがめられたのか、ゆがんだ行政に政治のメスが入ったのか――。
 この議論の黒白を、獣医師という特殊専門分野で判定するのはかなり難しい。専門家の検討に委ねた結果、「メスを入れよう」とゴーサインが出た。それも首相が率先して既成の行政ルールを変える「国家戦略特区制度」(中身の割に名前が大げさすぎるが)を使うという。それなら「総理のご意向」「官邸の最高レベル」が介在してもおかしくはない。
 加計(かけ)学園問題は、何を問題にし、どこを目指しているのかが分かりにくくなっている。
(中略)
 安倍政権も前川証言の中身は「知らぬ存ぜぬ」で押し通しても、前次官に反乱を起こされた政治的ダメージは深刻だ。「1強政権」と言いながら、「強さ」の内実は不満を抑えつけている「強圧統治」であることが露見し、権威失墜にとどまらず、「1強の内側の面従腹背」という弱点をさらけ出したからだ。
 そうであるなら、前川氏はなぜ実名告発に踏み切ったのかを、もう少し掘り下げる必要がある。前川氏は霞が関で「人望の厚い、腹の据わった、頭脳明晰(めいせき)な人」と評価が高い。「無謀」とも「異様」とも驚かれる「たった一人の反乱」に打って出た動機や背景には、加計学園問題にとどまらない奥行きと広がりがあるのかもしれない。
(中略)
 ある文科省関係者によると、第1次安倍政権の最大の「成果」の一つとされる教育基本法改正(戦後のリベラルな内容を改変し、「国を愛する心」「伝統の尊重」「新しい公共」などを盛り込んだ)にも懐疑的だったとされる(ただし、理由は明らかでない。文科官僚としてはデリケートな論点なので、断定は留保する)。
(中略)
 前川氏がどういう教育行政を目指していたのかは分からないが、自分の理想を持った骨のある熱血漢らしい。断片的に集め得たエピソードから、少なくとも戦後民主主義教育の精神と成果を否定する考えではないようだ。エピソードに共通するのは、たとえ「保守」を名乗っても、政策的には新自由主義経済路線に文教行政を組み込もうとする政治の動きに、その都度反発してきたように見える。本誌で何度か論じているように、安倍政治の「保守」「右傾化」といわれるイデオロギー政策(「愛国心」など)は、グローバル化時代を国家・国民一丸となった新ナショナリズムで勝ち抜く総動員体制作りの手段であり、伝統的な保守とは似て非なるものだろう。
 前川氏の反乱の本当の動機は、単なる加計問題の告発にとどまらない射程の長い教育行政観が底流にあったと言われてもさほど驚かない。むしろ戦後70年間の新しい伝統に照らせば、小泉・安倍政治を経済至上主義の行き過ぎと憂える立場はあり得るはずで、野次馬(やじうま)根性をそそるドタバタ劇から視点を引いて大きく見るなら、前川氏の反乱は「安倍暴走政治」への異議申し立てが、加計問題をきっかけに噴出した行動と理解できる。教育は安倍政治と「保守」層が、主要テーマと位置付ける「主戦場」である。
(中略)
 前川氏の反乱は、菅氏による強権的な「霞が関支配」の綻(ほころ)び以外の何ものでもない。軋轢が断層を作り、遠からず別のマグマも噴き出すのか。たとえ加計問題が煮え切らなくても、安倍1強政権の地盤には深刻な亀裂がいく筋も走っている。
【いとう・ともなが】
 1962年東京生まれ。毎日新聞政治部、ジュネーブ特派員を経て、編集局編集委員。毎月第1土曜日の朝刊にコラム「時の在りか」を執筆。著書に『靖国戦後秘史―A級戦犯を合祀した男』(角川ソフィア文庫)、『靖国と千鳥ケ淵』(講談社+α文庫)ほか
(サンデー毎日6月18日号から)
https://v.mainichi.jp/books/viewer/app/P000000441/2017/06/18

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