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非正規にも正社員と同一賃金・同一待遇と云うがメディアによって評価は正反対

2016年12月21日(水)

 昨夜から今朝に掛けて、NHKニュースで安倍政権の快挙のように取り上げていたニュース!

 表面的にトレースすれば、「非正規にも正社員と同一賃金・同一待遇」に向けて
政策誘導して行くと云う非正規にとっては「待ってました!」の朗報なのだが・・・

 報道機関によっては、見出しの打ち出し方からして全く正反対!

 まずは、NHKニュース

政府 同一労働同一賃金のガイドライン案を提示
 NHKニュースWEB - 2016年12月20日 19時01分


 産経新聞も

「非正規にも賞与を」 政府、同一労働・賃金で指針案
 産経新聞 - 2016/12/21(水) 7:55配信


 次に、朝日新聞

待遇差是正、実効性が課題 「同一労働同一賃金」指針案示す
 朝日新聞デジタル - 2016/12/21(水) 7:30配信


 毎日新聞では

同一労働同一賃金 政府指針案公表
道筋見えず 企業側の裁量大きく

 毎日新聞 - 2016年12月21日 東京朝刊


 そして、しんぶん赤旗では

基本給格差を容認
非正規待遇 政府が指針案

 しんぶん赤旗 - 2016年12月21日(水)
 

 この記事の解説に依れば、格差固定化に繋がり兼ねないようだ。

     ***********

解説

格差固定化の危険


 政府の働き方改革実現会議がまとめた「同一労働同一賃金ガイドライン案」は、格差を容認する現行法の枠組みを出ないものにとどまりました。非正規労働者の待遇改善にとって実効性がないばかりか、正規労働者との格差を固定化する危険性を抱えたものです。

 指針案では、職務内容・勤務地の変更など人材活用の違いを理由に基本給に格差をつけることを容認しています。これでは、勤務地変更などがないパート・有期労働者の賃金差別・格差の是正にはつながりません。ILO(国際労働機関)パート労働条約175号でもこうした違いは含まれていません。

 さらに指針案では、「業績」「成果」で基本給に格差をつけることを容認。賞与(一時金)についても「会社への貢献」で格差をつけることを認めています。主観的な判断で格差を合理化し、正社員にも成果主義を強化することになりかねません。

 指針案策定にあたって経団連は、企業が主観的に判断する「仕事・役割・貢献度」に応じて処遇すべきだと主張。正社員も非正規社員も企業の都合のいいように働かせる仕組みを求めてきました。指針案はこうした要求にも沿う内容です。 



     **************

 

以下、記事から一部引用

政府 同一労働同一賃金のガイドライン案を提示
 NHKニュースWEB - 2016年12月20日 19時01分
 

 政府は、働き方改革実現会議で、同一労働同一賃金の実現に向けたガイドラインの案を示し、正社員と非正規の労働者の基本給について不合理な差を認めないとするとともに、非正規労働者にも昇給や賞与の支払いを原則行うことを明記しました。
政府は総理大臣官邸で開かれた働き方改革実現会議で、同一労働同一賃金の実現に向けて、非正規の労働者の処遇改善を図るためのガイドラインの案を示し、安倍総理大臣は「正規労働者と非正規労働者の間の不合理な待遇差を認めない、わが国の労働慣行には十分に留意したものとなった」と述べ、意義を強調しました。

それによりますと、同じ企業や団体で働く正社員と派遣労働者を除く非正規労働者の基本給について、職業経験や能力、業績や成果、勤続年数によって金額が変わることを容認しながらも、不合理な差を認めないとしています。

また、非正規労働者にも昇給や賞与の支払いを原則行うことを前提として、昇給額のうち職業能力の向上に基づいて支払われる部分や、賞与のうち会社の業績などによって支払われる部分については、不合理な差を認めないと明記しています。

一方、時間外や深夜・休日手当、通勤手当や出張旅費、単身赴任手当、慶弔休暇、病気休職などについては、正社員と非正規の間で差を設けることを原則として認めないと打ち出しています。

また、派遣労働者については、派遣元と派遣先双方との関係をそれぞれ考慮する必要があることから、有期雇用やパートの非正規労働者とは区別されていて、派遣先の労働者と職務内容などが同じであれば、派遣元の事業者は基本給や賞与などの賃金、それに福利厚生、教育訓練などの待遇を同じにする必要があるとしています。

政府は、示したガイドラインの案が実際に運用されるよう、今後、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の改正案の取りまとめ作業を進めることにしています。
増え続ける非正規労働者
総務省の調査によりますと、国内の非正規労働者の数は年々増え続け、去年1年間の平均では1980万人に上り、労働者全体の37.5%を占めています。

一方、厚生労働省によりますと、フルタイムで働く人の賃金を比べた場合、去年の平均で正社員は月給32万1100円だったのに対して、非正規労働者は20万5100円と、大きな差があります。

厚生労働省が所管する団体の5年前の調査では、賃金の格差の理由について複数回答で企業に尋ねたところ、「責任の重さが異なる」という答えがおよそ68%と最も多く、次いで「中長期的に役割や期待が異なる」と「正社員には一部質の異なる仕事がある」がいずれも34%、「ほかの事業所への異動がない」という回答も20%に上りました。
同一労働同一賃金「経営の負担になる」
同一労働同一賃金について、非正規の労働者を多く抱える企業では、人件費の大幅な増加につながり、経営の大きな負担になるとして、懸念の声も出ています。

東京都内で7店舗を経営する食品スーパーでは、およそ120人の従業員のうち80人がパートなどの非正規の労働者です。店での接客や商品の陳列など正社員と同じ業務も行いますが、時給は最低932円からで、賃金は正社員の7割程度にとどまっているほか、賞与もありません。

練馬区にある本店で現在、パート労働者に支払われている人件費は1日当たり平均およそ25万円ですが、仮に賃金を正社員と同じ水準まで引き上げると、1日当たりの人件費はさらに7万円余り増えることになります。1日当たりの売り上げが200万円台のこの店舗では、経営が成り立たなくなるおそれがあると言います。

スーパーでは、能力に応じて時給を加算したり、本人が希望する場合は正社員としての採用に切り替えるといった待遇改善策を進めていますが、同一労働同一賃金の導入には根強い懸念があるのが実情です。

食品スーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は「パートもできるかぎり昇給させるなど、必死でやっているが、これ以上人件費が上がったら経営は成り立たない。同じ仕事に見えても正社員は責任が全然違うので、どこかで差をつけないと、おかしなことになる」と話していました。
同一労働同一賃金 ものづくりの現場からも懸念
同一労働同一賃金に関するガイドラインの案について、一部の企業からは人件費の負担が増えるのではないかと懸念する声も上がっています。

東京・墨田区で50年にわたって操業している金属加工会社では、およそ40人の従業員の中に3人のパート社員がいます。時給はおよそ1000円で正社員の7割ほどですが、事務作業のほか製品の梱包、出荷など正社員とほぼ同じ業務を担っています。

正社員は将来にわたって会社に貢献することが見込めるとして、パートとは差をつけているということで、有給休暇の日数や役職手当ての額にも差があります。

この会社では同一労働同一賃金の導入を検討していて、パート社員の20代の女性は「私の部署では正社員もパート社員も仕事の内容にほとんど差はないので、みんな一緒の待遇になり給料が上がるのなら素直にうれしい」と話していました。40代の正社員の女性も「個人的には待遇を同じするのはいいことだと思う。待遇が一緒になっても今と変わらず仕事に取り組みたい」と歓迎していました。

ただ、制度を導入した場合、手当を含めてパート社員1人当たり1日平均でおよそ1万円の人件費が2000円から3000円ほど増える計算です。この会社では取引先からの注文に応じてパート社員を増やすことがあるため、人件費が大きく増加することも考えられるといいます。

浜野製作所の浜野慶一社長(54)は「同一労働同一賃金の考え方は正しいと思うが、人件費が高くなれば日本でものづくりをやめる企業も出てくるかもしれない。政府には施策の説明のほか、現場への影響をきちんと検証、検討してもらいたい」と話していました。
同一労働同一賃金 導入した電鉄会社では
政府の議論に先駆けて同一労働同一賃金を導入した企業の中には、一定の成果が挙がった一方で、賃金や人事の制度設計の難しさに直面しているところもあります。

広島市に本社がある広島電鉄は、7年前の平成21年に契約社員を廃止して、すべての社員を正社員とし、賃金体系を一本化する形で、同一労働同一賃金を実現しました。

かつて契約社員として入社した路面電車の運転士の井上巨猛さん(35)も、制度の導入に伴って正社員となり、給与と賞与が増えました。
正社員になった2年後に結婚して、子どもも2人産まれ、ことしはローンを組んで自宅を全面改築するなど、まとまったお金を使うこともできるようになったといいます。
井上さんは「契約社員のときには気持ちに余裕がなかったが、正社員になって働く意欲が非常に高まった」と話していました。
また妻の幸恵さんも「契約社員のままだと、経済的に2人の子どもを育てるのは難しかったと思うので、本当にありがたい」と話していました。

会社にとっては3億円の人件費の増加となりましたが、社員の働く意欲が高まったことで接客が向上し、乗客からの苦情が減るなどのメリットがあったということです。

一方で、会社は賃金や人事の制度設計で課題に直面しています。
会社では、新たな制度の下、昇給の基準を、それまでの年功序列から、業務の責任に応じた「職責」を軸としたものに変えました。
その結果、社員の中には、「職責」が上がらないため、何年たっても賃金が増えず、人事評価の在り方などに不満を持つ人も出ているといいます。
会社は、より公平で、納得の得られる制度を目指し、模索を続けています。

広島電鉄の椋田昌夫社長は「事故や苦情が減り、職場のぎすぎすしたところがなくなって、一体感が出るメリットがあった。今後は、不満がなるべく少なくなるよう微調整しながら、制度を修正していくことが必要だと思う」と話していました。
専門家「ガイドラインは議論の入り口」
日本総合研究所のチーフエコノミスト、山田久さんは「いきなり理想型の賃金制度にもっていくと、これまでの制度もあって混乱が生じてしまうため、今回は、まずは手をつけやすい部分から入ったという印象だ。あくまで完成形ではなく、議論の入り口だと思う」と話していました。

そのうえで、「日本では産業や職種ごとの労働事情がかなり異なるため、産業や職種ごとに分科会のようなものを設けて継続的に議論し、労使双方が納得できる賃金体系を作るべきだ」と指摘しました。

さらに、山田さんは「賃金格差の是正は、企業にとってコストの増加にはなるが、人手不足が続く中、非正規の労働者の定着率が上がればプラスであり、前向きに考えることが重要だ。また、政府にも、非正規労働者の待遇を改善させた企業に対し積極的に補助を行うような取り組みが求められる」と話していました。



 
「非正規にも賞与を」 政府、同一労働・賃金で指針案
 産経新聞 - 2016/12/21(水) 7:55配信
 

 政府は20日、関係閣僚と有識者による「働き方改革実現会議」の会合を首相官邸で開き、非正規労働者の待遇を改善する「同一労働同一賃金」の実現に向けた指針案を示した。正社員と同じ仕事をする非正規の賃金は「同一の支給をしなければならない」と明記し、賞与や通勤費などの手当の支給も必要とした。来年秋の臨時国会にも関連法改正案を提出する方針で、指針は法改正後に施行される。

 議長の安倍晋三首相は指針案について「正規と非正規の不合理な待遇差を認めないが、わが国の労働慣行には十分留意したものとした」と強調。「今後指針案を基に法改正の議論を行っていく」とも語った。

 指針案では、賃金の大きな比重を占める基本給について、金額を決める基準を「職業経験・能力」「業績・成果」「勤続年数」に分類。仕事の成果や経験に基づく賞与などの手当と同様に、職業経験などが同じであれば非正規も同一待遇とし、違いがあれば「相違に応じた支給にしなければならない」と基本給の待遇差を容認した。ただ、待遇差を認める場合でも「正社員と非正規は将来の役割や期待が違う」といった主観的・抽象的な説明では認められないと強調している。

 仕事の内容や成果に関わらないとして、通勤費や深夜・休日手当のほか、休暇や食堂利用などの福利厚生は「同一にしなければならない」と明記。派遣労働者の待遇は同じ仕事をする派遣先企業の社員と同じにしなければならないとした。 




待遇差是正、実効性が課題 「同一労働同一賃金」指針案示す
 朝日新聞デジタル - 2016/12/21(水) 7:30配信
 

 正社員と非正社員の待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」の実現に向け、政府は20日、ガイドライン(指針)案をまとめた。賃金や福利厚生に差をつける場合の具体例を「問題となる例」と「問題とならない例」に分類して示し、非正社員の待遇改善を企業に促すことを狙う。ただ、格差是正が実際にどこまで進むかについては疑問も残る。

 この日の働き方改革実現会議の会合で、指針案が示された。「非正規(労働)という言葉をこの国から一掃する」。そう訴えてきた安倍晋三首相は、「不合理な待遇差を認めないが、わが国の労働慣行には十分に留意した」と胸を張った。 




同一労働同一賃金 政府指針案公表
道筋見えず 企業側の裁量大きく

 毎日新聞 - 2016年12月21日 東京朝刊
 

 政府が20日公表した同一労働同一賃金ガイドライン(指針)案は、非正規労働者への賞与支給を促すなど非正規労働者の待遇改善に向け前進したと言える。ただ、わずか十数ページの指針案で明確に判断できる事例は限られる。企業側の裁量の余地はなお大きく、「同一賃金」への道筋は見えない。【阿部亮介、浜中慎哉、早川健人】

 「同一労働同一賃金を導入したいと考えてきた。正規労働者と非正規労働者の不合理な待遇差を認めないで、日本の労働慣行に留意したものとなった」

 同日の働き方改革実現会議で安倍晋三首相は胸を張った。首相が同一労働同一賃金に力を入れるのは、企業の内部留保を非正規労働者の賃金に回し、消費の拡大につなげたいとの思惑があるからだ。

 だが、首相の期待通りに進むかどうかは微妙だ。同会議メンバーの榊原定征経団連会長は会議終了後、記者団に「妥当な内容だ」と評価したものの、非正規労働者の処遇改善について「生産性を上げたうえで、配分の一部が非正規の賃金是正につながる」との考えを強調。正社員の賃下げなしに非正規労働者の待遇を上げることについては、「一般論としては言うことはできない」と述べるにとどめた。

 企業側の受け止めもさまざまだ。全国で10万人以上のパート・アルバイト職員を抱える牛丼チェーン大手は「パートに賞与を払うなら企業負担が大きすぎる」と不満を漏らす。約3万6000人のパート・アルバイトのいる大手スーパーも「パートの業績貢献をどう判断するかが難しく非現実的だ」と反応は冷ややかだ。

 一方、非正規労働者の基本給アップ、福利厚生面の格差是正については「すでに自主的にやっている」(別の大手スーパー)との声も多い。ある大手流通は「実施済みの事案も多く、警戒していたほどではない」(幹部)と明かす。

 ただ、コンビニエンスストアのように店舗オーナーとアルバイト従業員だけという業態では比較する正規労働者がおらず、指針案の対象外となる。ある政府関係者は「全ての非正規が対象となるわけではない」と釈明する。コンビニ大手幹部は「言及がなく、どう対応していいか分からない」と当惑気味に話した。

 労働者側から見ると、指針案にはあいまいさが多い。「業績への貢献に応じた賞与の支給」を明記した意味は大きいが、企業によっては業績への貢献以外の要素も加味して決めたり、あらかじめ固定的に支給額を決めていたりする企業もあり、全ての非正規に賞与が支払われるかどうかは不透明だ。

 指針案は派遣労働者についても「派遣先社員と同一」の取り扱いを求めている。だが、条件として、仕事の中身だけでなく、同じように異動を求められることなどが示されている。ある労組関係者は「異動まで派遣先の社員と同じケースは限定される」と述べ、派遣労働者の待遇改善が放置されることを警戒する。

 労働側が強く求めてきた退職金は記述そのものが見送られた。政府内にも「本来は支払うべきだ」との声はあったが、「退職金には給与の後払いや、会社への長年の貢献などさまざまな意味があり、位置づけが難しかった」(内閣府幹部)からだ。大幅なコスト増となる経済界への配慮もあり、今後、さらに踏み込む可能性は極めて低い。

 ◇年功給、変わる可能性

 指針案は「勤続年数」の同じ労働者の同一賃金を求めた。勤続年数は年功的意味合いがあり、指針案によって年功給の考え方が変わる可能性もある。

 年金受給年齢の引き上げに伴い、企業は、60歳で定年した労働者が希望すれば雇用を継続しなければならない。多くの企業は非正規として低い賃金で再雇用して対応している。定年退職者にまで勤続年数に応じた同一賃金が求められれば、人件費が膨大になりかねない。ある厚生労働省関係者は「年功給を採用しない企業が増えるのではないか」と話す。経済界には「年功ではなく仕事内容に応じて賃金を決める職務給を取り入れる企業がさらに増えそうだ」との指摘もある。

 一方、政府は今後、指針案を具体化するためパート労働法、労働契約法、労働者派遣法の3法改正に向けた作業に入る。焦点になるのは、正規・非正規間の格差の「合理性」の立証責任を使用者に負わせるかどうかだ。指針案だけで容易に判断できない事例は多い。政府は、格差が合理的かどうかは最終的には司法判断に委ねられることを想定しているからだ。

 欧州では判例の積み重ねが基準になっている。日本も今後の判例によってルールがより詳細・明確になることが期待されている。ただ、労働者側が法廷で「格差は不合理」と立証するのは難しく、連合は「使用者の立証責任」を明確にするよう求めている。しかし、これには経済界側の反発は強く、見送られる公算が大きい。 




基本給格差を容認
非正規待遇 政府が指針案

 しんぶん赤旗 - 2016年12月21日(水)
 

 政府の働き方改革実現会議は20日、正規社員と非正規社員との不合理な格差を是正するとして「同一労働同一賃金ガイドライン(指針)案」を決定しました。基本給などの格差を容認する一方、一部の手当などについて是正を盛り込むものにとどまりました。

 指針案では、具体的事例を紹介し、「問題とならない事例」と「問題となる事例」を示しています。

 基本給は、職業経験・能力、業績・成果、勤続年数について正社員と非正社員に「一定の違い」があれば、支給額に差があっても容認されるとしています。賞与(一時金)についても支給を求めた上で、「会社への貢献」で格差をつけることを認めています。

 ただし、昇給については、職業能力の向上に応じて支払う場合は同一の昇給を行うよう求めています。

 通勤手当や出張旅費、食事手当の支給、慶弔休暇の付与については、同一の支給をしなければならないとしています。本人の都合で転居した場合は、圏内の通勤費だけしか支給しなくてもよいとしています。

 企業からは、非正規社員の賃金を多少引き上げる代わりに正社員の賃金を引き下げる考えも出ていますが、労働者全体の賃金水準向上に逆行する動きに対する歯止めは盛り込まれていません。労働者側が求めてきた不合理な格差に対する立証責任を企業に負わせることも見送られました。

 指針に法的拘束力はありません。政府は、早ければ来年の通常国会に関連法案を提出する考え。指針は、改正法の施行と同時に始める方針です。

解説

格差固定化の危険

 政府の働き方改革実現会議がまとめた「同一労働同一賃金ガイドライン案」は、格差を容認する現行法の枠組みを出ないものにとどまりました。非正規労働者の待遇改善にとって実効性がないばかりか、正規労働者との格差を固定化する危険性を抱えたものです。

 指針案では、職務内容・勤務地の変更など人材活用の違いを理由に基本給に格差をつけることを容認しています。これでは、勤務地変更などがないパート・有期労働者の賃金差別・格差の是正にはつながりません。ILO(国際労働機関)パート労働条約175号でもこうした違いは含まれていません。

 さらに指針案では、「業績」「成果」で基本給に格差をつけることを容認。賞与(一時金)についても「会社への貢献」で格差をつけることを認めています。主観的な判断で格差を合理化し、正社員にも成果主義を強化することになりかねません。

 指針案策定にあたって経団連は、企業が主観的に判断する「仕事・役割・貢献度」に応じて処遇すべきだと主張。正社員も非正規社員も企業の都合のいいように働かせる仕組みを求めてきました。指針案はこうした要求にも沿う内容です。

 安倍首相は「非正規という言葉をこの国から一掃する」と豪語していましたが、名ばかりというほかありません。現行制度の枠にとらわれず、同一(価値)労働同一賃金の原則を明記するなど差別や格差の是正・根絶につながる法改正を行い、その上で実効性ある指針になるよう抜本的に見直すべきです。

(深山直人) 


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