福岡市城南区在住の産婦人科医・東野利夫さん(89)が、
長い年月を掛けて証言を取り資料を収集してきた記録を元に
構成されたNHKのドキュメンタリーでした。
2015年12月19日(金曜深夜 0:00)に再放送があるようです。
これらの資料は、九州大学の資料館に展示されるはずでしたが
“天の声”により、東野医師が収集した資料は一切展示されず、
簡単な説明パネルと九大の記念誌の見開きページだけとなりました。
(しかも、その記述は開かれたページの隅に小さなコラムのみ)
九州大学の担当者はデジタルアーカイブズにも触れて記録の保存と
公開・共有に努力したものと思われますが、
NHKの質問に応えたスポークスマンは、
「一次資料なら問題なく展示するが東野医師の資料は二次・三次資料
であり、公的な場での展示には相応しくない」 と詭弁を放ちました。
この人が云う「一次資料」とは、何でしょう?
敗戦を知った軍部や大学当局は、いわゆる『一次資料』は犯罪を
葬り去るため焼却されたはず。
これを補うために、東野医師が アメリカ側のB29機長の証言も含め、
多くの証言や記録を収集したものです。
証言を「一時資料ではない」と言い切るのは、傲慢でしょう。
東野医師は、しばらく落胆されたようですが、自らの医院の一画を
使用して、1ヶ月間、記録を展示しました。
この夏、東野さんは、事件についての展示を
福岡で開催した。(NHK-ETV公式サイトより)
九州大学が積極的に進めてきた歴史展示への、急展開のこの非道な仕打ちは、
おそらく、文部科学省からの指導か何かがあってのことでしょう。
安倍イズムが、大学の自治も犯すという憲法違反を進めているようです。
NHKが、数ヶ月前に放送した ~九大生体解剖事件~ を再構成して
新たにドキュメンタリーとされたようで、企画した人々に敬意を評します!
NHK ETV特集 公式サイトより
2015年 “医師の罪”を背負いて
~九大生体解剖事件~
12月12日(土)よる11時放送
再放送12月19日 午前0時放送(金曜深夜)
終戦間際の1945年5月から6月にかけて、九州帝国大学医学部で米兵の捕虜を使った生体実験が行われた。
世に言う「九大生体解剖事件」。
墜落したB29の搭乗員8人に対し、海水を使った代用血液を注入するなどのさまざまな生体実験の手術が行われ、捕虜たちは死亡した。
戦後70年間タブー視され、多く語られることのなかった「負の歴史」。生体実験に関わった医師や看護師は、すでに全員が事件についてほとんど語らぬまま亡くなってしまった。
しかし、ただ一人、そのとき医学生として生体実験手術の現場に立ち会った証言者がいる。東野利夫さん(89)である。東野さんは戦後、福岡市内で産婦人科医院を営みながら、国内外で関係者に取材を重ね、多くの壁にぶつかりながらも、事件と向き合う地道な活動を続けてきた。
事件は、関係者や私たちに一体何を残したのか。私たちは何を反省し、何を語り継ぐべきなのか。番組では、東野さんの証言や亡くなった関係者・遺族への取材を通して、「九大生体解剖事件」からの70年という歳月の意味を見つめる。
語り:池田成志
(内容59分)
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